その日は3年生7人、2年生5人で遅くまで作業してて、
校長先生がポケットマネーで差し入れをくれてさらにテンション上がってたと思う。
2年生の男子5人がワイワイ言いながら、カッターで発泡スチロールの板や段ボールを切ってた。
2年生の塊の横で私達3年生がやってたんだけれど、
2年生男子達がカッターと段ボールで何かの映画のシーンを再現して遊び出した。

同級生の仲良しの一人が(弟がいて特に2年生と仲が良かった)、
「危ないから止めなさい」って怒ってもテンション上がって止まらない。

私も「怪我するから止めなさいよー」とか言いながら作業続けてた、その時だよ。
斜め後ろからの「あっ！」て声と共に首にガンって何かぶつかった。
チクッとした痛みに、え？って思いながらぶつかった所触ったら、ヌルッとした...
ワイシャツの首の所が濡れる感覚とみんなの驚愕した顔に、何が起こったか分かんなかった。

友達が凄い叫んでるし2年生の男子達が凄い狼狽えてるしで、
逆に血だらけの手を見ても「あー切れたんだー」って冷静だった。
その後、誰かが呼んでくれた保健室の先生が来てタオルで首押さえながら病院に。
ちょっと傷が深くて、でも危ない所は切れてなかったのが幸いして、
5針縫って迎えに来た母親と帰った。

母親と祖母は泣いてるし父親は怒鳴り込む勢いで怒ってるし、
なだめるのも大変でそれも修羅場だった。

生徒会役員だったのもあって、私のせいで学祭をダメにしたくなくて
大袈裟にしないよう友達に言って回ったし、カッター飛ばした後輩男子は学祭が終わるまで
停学にするって言う先生達にも、なんとか参加出来るよう頼んで回った。

家に謝罪に来た後輩男子と治療費持ってきた両親にも、大した怪我じゃないし
一緒に学祭楽しんで欲しいって言って、後輩を責めないであげて欲しいと頼んだ。

自分の怪我よりも何よりも、こんなに準備を頑張ってみんなが楽しみにしる学祭を台無しにしたくない！って気持ちが大きくて、必死に平気な振りをしていたのも修羅場だったかも。

結果、誰一人欠ける事もなく学祭を終えた。
準備期間中も学祭中も後輩はずっと私にくっついて重い物もってくれたり、
大丈夫って言ってもあれこれ世話を焼いてくれた。
お昼に「俺が食べさせますんで！」って言われた時は流石に全力でお断りしたw

付き合った時期もあったけど、今隣りで笑ってる旦那が後輩ですとはならず、
お互い別の伴侶と幸せになってる。

傷は今でも残ってるけど、まぁこれはこれで高校時代の良い思い出ですw

あー、あるある

傷が残ったのが顔じゃなかったのが不幸中の幸いだー