が、ある日Ａが「俺、抜けてもいいかな･･･？」って言いだした。
なんか最近やたら金縛りにあって、疲れてるのかなと思っていたが
その少し前に金縛りが解けて目を空けたら、
目の前に自分を覗き込むような顔があったらしい。
目が合った途端にスーッと消えたらしいんだが、
男か女か分からないような顔で
ただその表情がなんとも表現の仕様のない不気味なもので
目に焼き付いて離れないんだとか。
その話を聞いてＢが笑い飛ばし
「だったら俺が部屋を代わってやるよ」と言い
さっさと荷物をまとめて交代した。
正直格安の部屋とは言え３人で家賃払うのと２人で払うのじゃ負担額が違うので
出ていかれるのは困ると俺も思ったので、このまま何も出ないといいなぁと思ってた。
それから半月ぐらい経ってもＢはすこぶる元気だし、
ＡはＡでこのままなんとも無かったらいいんだけど･･･って消極的現状維持希望。
ところがある日、ＡとＢがリビングでテレビ見てて俺が一番風呂に入ったんだが
浴槽で寛いでいたら突然足首をガシッと握られた。
何かの勘違いなんかじゃない。間違いなく５本の指がある手だ。
それもゴツゴツしたおっさんみたいな手。
そして足元の方に凄い力とスピードで引っ張られ、アッと言う間に浴槽に沈んだ。
必死で暴れながらどうにか水面から顔を出して浴槽から飛び出した。
マジ死ぬかと思った。
ガタガタ震えながら風呂から出た俺の様子を見て、ＡもＢも察したらしく
翌日不動産屋に行って解約すると伝えた。
全部話して、あそこで何があったのか詳細を聞こうとしたが
うちが買い取る前のことは分からないの一点張り。
そして又３人で暮らせそうな狭いけど“相場”家賃のアパートを借りて卒業まで暮らした。
この機会に別々に借りようかって案もあるにはあったが、
なんとなく一人で暮らすのが怖かったんだ。

>>530
そのおっさんも元は浴槽の手に引っ張られて溺死したんじゃないかな
もしあなたがそのまま沈められていたら、
あなたは次の住民の足を引っ張って沈めることになったんだ
次の住民を沈めるまで、その浴槽から出られず、成仏できない
きっとそういう恐ろしい部屋だったので、
不動産屋さんは秘密にしておきたかったんだろうね