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1: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:00:41.00 ID:D8AG7rjb0
世間的にはGWになってしまい、
この時期になるとなんだか思い出してしまったので語りたくなった
去年のGWに一人旅をした時に
発生したとっても素敵な出来事を語っていくよ
ある程度フェイクは入れてるけど、
大まかな出来事は書き溜めしてるから適当に眺めていってくれ
書き溜めを投下しながら追加して
いろいろ書いていくつもりだから少しゆっくりになるかもしれない
ちなみに初めてだから至らないとこがあったら指摘してくれると助かる


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2: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:02:42.96 ID:D8AG7rjb0
とりあえず当時の俺のスペック

富山出身在住
仕事はジムのインストラクター
26歳♂
176cm
65kg
俳優の平〇祐太に似ていると言われたことがある(後述
そしてDTだ

3: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:05:24.22 ID:D8AG7rjb0
まず俺は一人旅が好きだった
一人旅と言っても、
特に明確な目的もなく遊びに行く感じなんだけどね
今までは北海道、東京、石川、京都、大阪、
兵庫、三重、和歌山辺りに行ったことがある
交通手段は車が多いけど、バス、電車、新幹線、飛行機、船等なんでも使う
行き当たりばったりで宿泊は車中泊やネカフェ、
カプセルホテルやビジネスホテル、旅館等様々

4: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:07:39.04 ID:D8AG7rjb0
行ったとこ見てもらって分かるとおり、西日本が多いんだ
そこで今回は東北に目を向けた
せっかくだから最北に行きたくて、大間を目的地とした
そう、今回は珍しく予定を立てたんだ
と言っても寄るところを目星付けとくだけなんだけどね
とりあえず道中の平泉、恐山は行くことにした
調べていくうちに恐山には
宿坊があることを発見したので、そこに泊まることにした
宿坊の予約を取って、
5月2日から8日まで連休なのでフル稼動予定で出発

5: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:10:33.98 ID:D8AG7rjb0
さすがに誰も見てないと寂しいが勝手に語っていくぞ


出発は2日の夜7時頃だったかな
車で出発して高速道路をひた走る
高速はGWとは思えない程快適で、とんでもなく暇だった
外も真っ暗で景色もクソもないが、
まだ序盤なので疲れもなく車内カラオケで一人熱唱して満喫してた
新潟を通り、磐越道に入ると更に高速は過疎った
GWなのかと疑いたくなるほど快適な走行だった
東北道は混むだろうという想定で、渋滞をなるべく避けて
朝イチに出発する為に東北道には入っておきたかった
そこで宿泊地として目的にしたのが東北道に入ってすぐのSA
ここは結構大きいSAで、
夜遅くまで店はやってるしそこそこ明るい

6: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:12:53.14 ID:D8AG7rjb0
とんでもなく快適な磐越道から東北道に入ると、
世界が変わったかのように車の波が押し寄せた
車のライトでめっちゃ明るい
実は入るときちょっと怖かった
混みっぷりを見てSAに入れるか心配だったが、無事到着
と思ったがSA入り口で渋滞
嫌な予感が当たったかと思って諦めかけたけど、
もう夜12時を回ろうとしていた所だったので並ぶことにした
1時間以上の渋滞を覚悟したけど、
誘導員さんの見事な誘導で20分程で停めることが出来た
田舎者の俺はこれには感激
無線を使って十数人がキレイに誘導してた
富山の混雑してる駐車場なんて
「空いてるとこ入ってくださーい」って言って
混み混みの駐車場に投げこまれると言うのに
無事に宿泊地を確保し、飯でも食いに行くかと車を出る
先にトイレに寄ろうとしてトイレを探して歩き回ったんだが、
少し裏に入ったところで妙なものを見つける

7: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:16:11.23 ID:D8AG7rjb0
小学生低学年(1・2年?年長?)くらいの
男の子が座って草むしりをしてる
正直言って声が出そうになった
見事なまでに足がピタッと止まったよね
何だよこれ幽霊?見ちゃいけなかった感じ?
とりあえず周りを見渡し、ちょっと戻って更にキョロキョロする
特別変な空気でもない
そこで視線を男の子に戻すと、こっち見てた

8: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:20:44.33 ID:D8AG7rjb0
俺氏、勇気を出して幽霊との対話を試みる

俺「どうしたの?」

男の子「お母さんどっか行っちゃったー」

俺「いつから?」

男の子「さっきだよ」

(俺氏、男の子の傍に座る)

俺「そっか、今はなにしてるの?」

男の子「・・・」

(俺氏、死を覚悟して男の子の頭に手を添える)

俺「(サワレタ!!!??)」

俺「一緒にお母さん探そっか?(ドキドキ)
  ここにいたらお母さんも見つけられないよ?(ドキドキ)」

男の子「・・・うん!」

どうやら人間のようだ

9: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:23:52.14 ID:D8AG7rjb0
立ち上がろうとした時、後ろから女性の声が聞こえた

女性「○○!もうこんなとこきて!」

男の子「お母さんいなくなるんだもん」

女性「トイレ行くから待っててって言ったでしょーもうー!」

(俺と同い年くらいかな?ちょい上?てか美人やし・・・)

俺「・・・」

女性「・・・」

男の子「お兄ちゃんと、お母さん探しに行こうとしてたんだよ」

女性「あ、すいません、ご迷惑かけたみたいで・・・」

俺「いえいえ、見つかって良かったです」

お母さんはペコッと頭を下げると、
男の子を連れて駐車場に戻っていった
(不審者にされなくて良かった・・・)
割と本気でそう思った

10: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:26:06.58 ID:D8AG7rjb0
俺もトイレに行き、
財布を車に忘れてきたことを思い出して車に戻った
すると隣の車から先ほどの母親が出てきた

女性「あ、先ほどはどうも・・・」

俺「隣だったんですねー、男の子は車の中に?」

女性「どこか行かないように夫にお願いしましたw」

女性「夫も子供も寝ましたけどねw」

俺「これからご飯ですか?」

女性「そうなんです、そちらも・・・?」

俺「はい、車に財布忘れて取りにきたんですw」

女性「・・・富山からですか?」

俺「え・・?(あ、プレート見たのか」

俺「そうなんですよ、
  今日はここに泊まって、青森の大間まで行こうと思ってて」

女性「うわー、長旅ですね!w」

俺「先は長いですねー、そちらは・・・(プレートチラッ」

俺「宇都宮ですか!どちらまで?」

女性「仙台に実家があるので、そこまで帰省するんです」

俺「なるほど、牛タンうまいですよねw」

なんていう世間話をしてたんだけど、女性から一つの提案が成される

12: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:27:32.47 ID:D8AG7rjb0
女性「あのー・・これからご飯なら一緒にどうですか?」

俺「えっ」

女性
「あ、別に変な意味はなくて!
 ここで話すならご飯食べながらでもどうかなーってw」

俺「(確かにちょっと肌寒いし・・て言うか大歓迎ですし」

俺「あー、じゃ是非お願いしますw」

女性「それじゃ行きましょ!」

夫がそこの車で寝てるのになんて人だ・・
と思ったけど嬉しいので何も言わない
俺は定食、女性は蕎麦を食べながら世間話の続きをした
夫はどんな人で、いつ結婚してとか
子供や夫の愚痴、いやノロケ
お互いの仕事のこと
ほとんどが女性のことばかりで、自分から話していた
夫は仕事終わりで運転して疲れていたのですぐ寝てしまったらしい

11: 名も無き被検体774号+ 2014/04/28(月) 22:26:28.01 ID:fFueGCCfi
見てるよ

13: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:28:13.53 ID:D8AG7rjb0
>>11
とても嬉しいよ、ありがとう
長くなるから気をつけて

14: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:30:25.05 ID:D8AG7rjb0
女性「じゃ行きましょうか」

俺「そうですね、俺はここ初めてなので少し見て周ってきます」

女性「分かりました、色々話してしまってすいません・・w」

俺「いやいや、楽しかったですよほんとw 大丈夫です」

女性「ではまた縁があれば、気を付けて大間まで行ってくださいねw」

俺「はい、そちらも気を付けて。ありがとでした!」

女性「こちらこそー!」

そんな感じで別れて、俺は外に散歩に行った
ほんとに広いとこで、
二階とかあったけど夜だからほとんど店が閉まってた
外をぐるっと回ってトイレに寄って、
今度は昼に来たいなーなんて考えながら外に出た
すると自販機の辺りで先ほどの女性とあと2人の女性が話しこんでいた
知り合い?もしくは初対面の人と話すの好きなんかなーと思って
自動ドア越しに通り過ぎようとしたけど

女性「あっ!」

15: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:32:35.14 ID:D8AG7rjb0
女性「お兄さん!ねぇちょっとお兄さん!」

俺「(!?)はっ、はい!」

女性「あのね、この人たち・・・」

そこには2人の女性が何かプレートを持って立っていた
もしかしてヒッチハイク?女性2人で?チャレンジャーだな・・・
見た目的には年下に見える
片方は女優の小島瑠璃子に似ているので『るり』とする
もう一人は北乃きいに似てるので『きい』にしとく
似てると言っても激似ってことじゃなく、
雰囲気がそんな感じの2人だった

女性
「この人たち、ヒッチハイクで八戸まで行きたいみたいなんだけど・・・」

女性
「もう夜遅くて人も少なくなってきてるし、
 家族連れとか団体が多いみたいで人が捉まらないみたいなの」


「・・・(確かにプレートにあいのりみたいな
 テンションで「八戸」って書いてある・・・」

女性
「お兄さん青森まで行くでしょ?
 良かったら乗せてあげてくれないかなーって・・・」

17: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:35:18.38 ID:D8AG7rjb0
るり&きい「「お願いします!」」

俺「いや、でも・・」

女性
「うちはもう車がいっぱいだし、
 ここで朝までとか辛いだろうし・・ね!おねがい!」

俺「いや、俺はいいんだけど・・通り道だし」

るり&きい「「ほんとですか!?」」

女性「ほんと!?ありがとうございます!」


「や、ちょっと待ってw 
 てことは今日は俺の車で寝るってことでしょ?ちょっと狭いよ?」

俺の車は5人乗りの普通車です
後ろのシートを倒せば少し足を曲げて
寝ることは出来るけど、2人でいっぱいいっぱいになりそう

るり「大丈夫です、ここに朝までいるより全然いいんでw」

きい「でもお兄さんの邪魔になるなら無理にとは言わないですけど・・」

16: 名も無き被検体774号+ 2014/04/28(月) 22:33:44.41 ID:4YbD2sGn0
去年のGW
同じように東北行ったなぁ。
下道でのんびり福島までだけどw

続き楽しみにしてる

18: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:36:09.90 ID:D8AG7rjb0
>>16
ありがとう
東北いいとこだよね
近々また行こうと思ってる

19: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:38:22.32 ID:D8AG7rjb0
俺「んーならいいけど・・・」

るり&きい「「ありがとうございます!」」

俺「だからちょっと待ってってw」

俺「確かに大間までは行くから八戸も通ることは可能だけど、
  途中で平泉に寄るからねー」

俺「だから着くのは明後日とかになるよ?」

俺「しかも俺は男でしょ?そちらは女性、不安じゃない?」

るり「寄り道大歓迎ですw」

きい「女性さんからいい人って聞いてますw」

女性「(にこっ」

俺「・・・・」

俺「んーじゃいいよ、八戸までね」

るり&きい&女性「「「ありがとうございます!」」」

20: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:40:38.14 ID:D8AG7rjb0
と言うことで2人同行することになった
4人で車まで行く途中、ずっとお礼を言ってきた
よくよく考えればちょっと嬉しかったりする
車に着いたとこで女性と別れる

女性「ほんとにありがとうございます、よろしくお願いしますね」

俺「いえいえ、何か賑やかで楽しそうなんで全然大丈夫ですよw」

女性「るりちゃん、きいちゃん、何かあったら隣にいるから大丈夫だよw」

るり&きい「「はーいw」」

俺「・・・(なんだこれ」

女性「じゃ失礼しますね、おやすみなさーい」

俺&るり&きい「「「おやすみなさーい」」」

21: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:43:44.54 ID:D8AG7rjb0
俺「・・・よし、じゃちょっと待ってて」

寝床を作らねばなるまいて
シートを倒す、トランクに置いてた毛布数枚を取り出す
俺の荷物と2人の荷物は助手席に詰め込み、寝床完成、非常に簡単

俺「じゃ、2人は後ろでね。俺は運転席で寝るから」

るり「え、でも運転席じゃ横になれないですよね・・・?」

俺「まぁ・・そうだけど、慣れてるから大丈夫だよ」

俺「さすがに後ろに3人じゃ狭いだろうし・・てか何かダメでしょやっぱw」

きい「すいません・・・」

るり「ほんとにいいんですか?」

俺「いいよいいよ、気にしないで寝てくれていいよ、狭いけどw」

るり&きい「「ありがとうございます」」

毛布を2人に渡し、俺も予備の毛布に包まって就寝

23: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:46:08.94 ID:D8AG7rjb0
夜中、ふと目が覚める
後ろでゴソゴソと音がして、少し話し声が聞こえる

きい「ねぇほら起きちゃうって!(ヒソヒソ」

るり「だから私はいいってー(ムニャムニャ」

きい「お願い、やっぱり怖いから行こうよ!早く!(ヒソヒソ」

るり「もうーわかったよー(ムニャムニャ」

きい「じゃ起こさないようにね(ヒソヒソ」

(バタン!

俺「・・・(出てった」

俺はずっと目を閉じて寝たフリしてた
ただ単純に眠かっただけだが
なんだやっぱやめるんかい・・・

22: 名も無き被検体774号+ 2014/04/28(月) 22:45:06.40 ID:lpanTxlnO
3Pはよ

24: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:46:48.36 ID:D8AG7rjb0
>>22
とりあえず謝っておく

25: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:49:09.65 ID:D8AG7rjb0
(ガチャ、バタン!

るり「(コソコソ」

きい「(ゴソゴソ」

俺「・・・ん?」

きい「あ、すいません、起こしちゃいましたか?」

俺「いや・・どしたの?忘れ物?」

るり「え?あ、ちょっときいちゃんがトイレ行くの怖いからってw」

俺「あ、そゆこと(やめるんじゃないのか」

きい「すいません、起こしちゃって」

俺「大丈夫、すぐ寝れるからw」

そう言った直後に寝てたと思う

朝は5時頃目が覚めて、2人はまだ寝ていた
起こさないようにそっと外に出て、
コーヒー飲みながら背伸びしたりストレッチしてた
やっぱ数時間運転後に座って寝るのは腰にくる・・・

26: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:51:39.85 ID:D8AG7rjb0
車に戻ると2人はもう起きていて、小さなカバンを持ってトイレに行った
化粧かな?女の子は大変だな

ちなみに話をすると2人は大学2年生だそうだ
何か変わったことがしたくて2人でヒッチハイクに出たらしい
実家が八戸にあり、東京の大学へ進学したようだ

予定ではヒッチハイクで実家に帰り、
そこからは電車で帰る予定みたい
ほんとにちょっとした遊びって感じだね
それにしても若い女性2人でヒッチハイク、
しかも男の車で寝るとか度胸が据わってると言うか危機感がないと言うか

とりあえず車のシートを直して出発準備をしてると2人が帰ってきた

27: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:54:33.04 ID:D8AG7rjb0
るり「もう行きますか?」

きい「なんか早い出発ですね!」

俺「多分だけど、東北道は混むだろうし、
  ちょっとでも早めに出ようかなーと」

るり「私たちはいつでもオッケーです!」

きい「オッケーです!」

俺「じゃ行きましょか!」

隣の車はまだ動いていなかった
挨拶していこうと思ったけど、
さすがに家族で寝てる中に向かって
声をかけることは出来ないので自重した

きい「女性さんに書き置きしていきますか?」

るり「あ、それいい!」

俺「書き置き?」

きい「ノートとペンあるんで!」

きい「(カキカキ」

俺「(昨日はありがとうございました。お先に行きますね!よい旅を!」

俺「(もっと派手に書くと思ったけど意外にシンプルだな」

きい「じゃこれ車の窓に挟んでおきますね!」

俺「何も言わないよりこっちの方がいいかもね、ありがとう」

るり「行きましょー!」

28: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:57:11.15 ID:D8AG7rjb0
後ろに2人、助手席に荷物って形で出発した
SAを出ると、案の定とんでもない混みっぷりだった
朝5時だと言うのになんだこの車・・・

2人も意外だったようで、「うわーw」とか「えーw」とか言ってた

るり「お兄さんの早起き作戦で良かったですねw」

俺「あ、俺(名前)っていうんだよね、ごめん遅くなって」

るり「私るりです!」

きい「きいです!」

俺「自己紹介遅くなったけど、よろしくねw」

るり&きい「「よろしくおねがいします!」」

29: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 22:59:04.79 ID:D8AG7rjb0
るり「俺さんはどこから来たんですか?」

俺「富山だよ」

きい「えーめっちゃ遠くからなんですね!」

俺「高速だとわりとすぐだけどねw」

俺「てか2人はここまでどうやってきたの?」

るり「最初は大学の友達に高速のSAまで連れてってもらって、そこからです」

俺「あーなるほど・・・」

きい「ここまでは2回乗せてもらったんですけど、
   どっちも女の人だから良かったよねw」

るり「だねー、楽しかったw」

俺「・・・(今は男だから楽しくないとでも言うのか」

そんな会話をしながら宮城に入った辺りでとんでもなく混み始め、
正に渋滞真っ只中の状態になった

るり&きい「「zzzz・・・・・・」」

俺「・・・・・」

32: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:01:04.69 ID:D8AG7rjb0
るり「あっ、すいません、寝てました・・」

俺「疲れてたら寝ちゃっていいよー、どれくらいあのSAいたの?」

るり「夕方からなんで・・6時間くらいかな?」

俺「そんなに!?それまで誰も捉まらなかったの?」

るり
「えーと・・油断しちゃってw まだ大丈夫って思って
 看板出さないでたらトラックの人と家族連れだけになったんですw」

俺「そっかー、トラックの運転手って
  結構乗せてくれるイメージあるけどダメなんかな?」

るり「なんか、2人だと乗れないことが多くて」

るり「あとは仕事だから余裕がないとか、結構多かったです」

俺「なるほどね・・、でも2人かわいいし
  すぐ乗せてくれる人結構いそうだけどねw」

るり「またまたw でもほんと良かったです、俺さんに乗せてもらって」

俺「いやいや、何か賑やかになるし、俺も嬉しいから気にしないで」

俺「てかヒッチハイクって色んな人に
  乗せてもらいながら行くのが楽しいんじゃないの?」

俺「俺一気に目的地まで行っちゃうけど良かったの?」

34: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:03:22.66 ID:D8AG7rjb0
るり「全然オッケーですw」

るり「てかどこか寄るって行ってましたよね?それ楽しみですw」

俺「平泉だよ?w 寺見に行くだけだよw」

るり
「大丈夫ですよー!
 私たちだけじゃ多分行かないとこだから楽しみなんですw」

俺「そっか、それなら良かった」

きい「・・ごめん、ねてた・・(ムニャムニャ」

るり&俺「「おはよー」」

きい「何話してたんですか?」

るり「寄り道どこ行くのかなーって話!」

きい「あっ、そうだ!楽しみー!」

みたいな感じで話しながら降りるICに到着

35: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:04:55.02 ID:D8AG7rjb0
るり「ついたー!」

俺「まだまだw これから寺行く前に
  ちょっと行きたいとこあるからそこ行くよー」

そう、平泉に着いたら行こうと思っていた所

厳美渓ってとこがあるんだ
町の中にある渓谷で、なかなか珍しいみたいなんだよね
せっかく来たから寄ろうと思っていたところの一つ

ICを降りてわりとすぐに厳美渓に到着
駐車場に入る前にフライングでちょっと見えた

きい「うわーすごーい!」

36: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:06:22.99 ID:D8AG7rjb0
車から降りて渓谷に向かう

るり「えーすごいね!」

きい「きれいー!」

俺「だねー、めっちゃ水キレイだよ」

きい「ほんとだ、緑だw」

るり「エメラルドグリーン?」

ほんとにそんな感じ
川に入浴剤でも入れたのかってくらいキレイなエメラルドグリーン

少し桜が咲いていたので余計にキレイに見えた
2人もやたら大興奮で写真を撮りまくってた

駐車場の近くに店がたくさんあって、
そこの一つで遅めの朝食をとることにした

37: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:07:35.58 ID:D8AG7rjb0
俺「なんか食べてこー」

るり「私あの蕎麦屋さんがいいな」

きい「いいね!なんか美味しそうなとこだねw」

俺「じゃそこにしよっか」

3人で店に入り、蕎麦をむさぼる
普通にうまい
かなり本格的な蕎麦だった

俺が会計を払おうとしたんだけど、
さすがに悪いって言って3人別々に出した
正直、助かったって思ったのは秘密

38: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:09:02.51 ID:D8AG7rjb0
厳美渓から出発し、平泉と言えば・・の寺に向かった
平泉には目的が3つあった

まずは中尊寺、そして毛越寺、最後に義経堂だ

ここは確実に行っておきたかった
位置的には毛越寺が一番近いのでそこに向かい、
義経堂、中尊寺の順で周ることにする

厳美渓から毛越寺へはほぼ一本道で、
苦労することなく目的に近付いてきた
が、ここで問題が起きる

40: 名も無き被検体774号+ 2014/04/28(月) 23:11:08.74 ID:+uUnLzyu0
楽しい旅してるじゃねーか、ちくしょう
はよはよ

41: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:11:33.25 ID:D8AG7rjb0
どうやら偶々、ほんとうに偶々だが祭りをやっていた

しかも源義経公東下り行列なるものが年に一回行われ、
見事そこに遭遇した
とてつもない混みっぷり
よりによって行列が行われる時間の1時間前に鉢合わせた

運がいいのか悪いのか、車を停めることが出来なかったので
近くの市役所にある臨時駐車場に車を停めることになった
屋台も多くあり、女性陣2人は大興奮
あれやりたいこれ食べたいあれ見たいあそこ行きたい
保護者になったそんな気分だった

一人旅で寺を巡って悟りを開く予定だったんだけどな・・・
とか思いながらも少し楽しかった、いやかなり

30分ほど祭りの出店を堪能して、毛越寺へ

入り口には警備員が大量配置で、
門前の道の両脇には行列を見ようと
大勢の人がズラッと列を作って並んでいた
どうやら毎年義経役は変わるようで、
今年は平岡祐太という俳優になるとのこと

名前を見てもさっぱりだったが、
写真を見たら分かった、イケメンだった
どおりでこんな寺(失礼)に若い子が多いと思ったよ

その写真を見てるりが一言

るり「平岡祐太って何か俺さんに似てるね」

42: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:13:38.54 ID:D8AG7rjb0
俺「!?」

きい「あ、確かにー!」

俺「!!!!??」

初めて言われたぞそんなこと・・・
これは素直に喜んでいいのかどうなのか

返答に困ってると2人は中に入りたいのか急かしてきた

るり「ね、入ってみよー」

俺「あ、あぁじゃ行こうか」

きい「お金かかるみたいだよ」

俺「参拝料かな?それは俺が出すよ、俺が行きたいとこだったんだし」

また悪いからって言ってきたけどここは譲らず俺が出した

43: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:15:28.00 ID:D8AG7rjb0
中に入ると本堂前にとんでもない人混みが
どうやら本堂で平岡祐太扮する義経様が儀式的なものを行ってる模様

終わったところにちょうど出くわしたようで、
義経が本堂前に出てきた
義経が通る道の両端にはロープが張られ、
入れないようになっていたので、思うように動けなかった

義経に続いて、おそらく弁慶、たぶん静御前がご登場
弁慶は義経よりちっちゃかったけど怖い顔してた

そのまま3人はすぐ隣の池に向かい、
船首が龍になっているボートで
池の中心に造られた祭壇のようなところに行っていた
そこでもまた儀式をするようで、
人々は池の周りを囲んで見入っていた

一部は「祐太くーん!」とやや場違いな黄色い声援を飛ばしていたが

44: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:16:50.31 ID:D8AG7rjb0
るり「あーやっぱかっこいいね」

きい「うん、顔ちいさいw」

るり「実際見ても似てるよねw」

きい「うん、ほんとねw」

俺「!!!!??」

もしかしてからかってるのか?
またもや返答に困っている俺を尻目にるりは続ける

るり「ね、もうあんまり見えないから外で行列待ちしよw」

きい
「そうしよっかー、
 ここにいる人全部出ちゃったら大変だもんね、先に行こっかw」

俺「・・・・・(毛越寺全然見てない・・・」

45: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:18:50.63 ID:D8AG7rjb0
外に出ると、俺たちが寺に入る前よりも
もっと大勢の人が道の周りに並んでいた

るり「やばーいw」

きい「遅かったかなw」

俺「ここら辺人少ないからここで待ってようか」

るり「そうしよー」

10分程待つと門が閉まり、20分程待つと開門した
あー義経来るんだーと思ったらまさかの馬が出てきた

るり「馬ww」

きい「え、めっちゃでかいよ!w」

確かに馬ってこんなでかいのかってくらいでかかった
良い位置に陣取っていたので、目の前1mちょいくらいを馬が歩いていく

46: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:20:35.14 ID:D8AG7rjb0
続いて甲冑のようなものを着た人を乗せて馬が続く
どんどん続く
まだ来るのかよってくらいめっちゃ続く

数十人が過ぎた頃、入り口の辺りから黄色い声援が聞こえてきた

俺「(あ、祐太きおったわこれ」

一瞬で分かるくらいにきゃーきゃー言ってた

祐太くーん!きゃー!こっち向いてー!祐太くーん!

そればっかりで、行列を普通に見に来ていたと
思われる爺さん達は諦めて後ろへ行ったようだ
祐太くんは優しいので、
馬に乗りながらニコニコして手を振っていた
目の前に来たとき、2人もきゃーきゃー言って手を振っていた

その時るりはチラッとこっちを見て

るり「やっぱ似てるw」

俺「!!!??」

47: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:22:00.59 ID:D8AG7rjb0
そこでどうやら前方が詰まったようで、祐太くんは目の前でストップしていた

ここでも周りにイケメンスマイルを
振りまきながらずっと手を振っていた
そして俺と目があってニコッとして手を振ってくれた気がした

俺に向かって

気のせいだと思うが、
俺が女だったらこれは絶対に惚れてまうやろ
そう思いながら隣を見ると、るり&きいが
めっちゃ可愛い顔になって祐太くんを見つめていた

ここで事件が起きた

なんと祐太くんが乗っていた馬がう○こをし出したのだ

そう、我々の目の前で

48: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:23:31.39 ID:D8AG7rjb0
るり「あ、やっちゃったw」

きい「わー、すごい臭うw」

周りからもうわーとかきゃーとか声がする

しかしながらこれは動物であれば仕方がない
ちょうど止まったところで便意を催したのだろう

祐太くんもそれに気付き、苦笑いをしながら手を振っていた
ここで行列は動き出し、また排便中だった
お馬さんはう○こを振りまきながら進んでいった

上ではイケメンが笑顔で手を振り、下ではう○こしながら歩く馬

かつてない程シュールな絵にココロオドってしまった

ちなみにこれに続いていた弁慶さんは
華麗にう○こを避けながら怖い顔をして徒歩で進んでいった

49: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:25:23.18 ID:D8AG7rjb0
そのまま進んでいってしまい、見えなくなったので次に向かうことにした

車に乗り込み義経堂へ出発すると、
どうやらそこ辺りにも義経一行は来るようで、
入れないように道路を規制されていた
諦めて先に中尊寺へ向かうことにする

中尊寺へ到着するとここもやはり混んでいた
第3駐車場までたらい回しにされ、
やっと停めたところは中尊寺からは結構離れていた
少し歩くことになるが、車に乗りっぱなしで
身体が固まっていた俺たちにはちょうどいい運動になった

中尊寺はしっかりと見ることが出来て、本堂にお参り、
金色堂を見学、松尾芭蕉の石像の頭を撫でて、
奥のレストランに向かった

森の中にあるレストランで雰囲気は結構良かった
ここでは季節限定で葉わさびの蕎麦があったが、
先ほども蕎麦を食べた俺たちはちょっと躊躇した

しかし季節限定という言葉に弱い我々は、
愚かにも2食連続で蕎麦を食べることにした
やっぱり蕎麦はとってもおいしかった

50: 名も無き被検体774号+ 2014/04/28(月) 23:25:27.21 ID:+uUnLzyu0
東北はもう復興してる感じ?

51: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:27:21.40 ID:D8AG7rjb0
>>50
ごめん、そっち側には行ってないんだ
高速から降りたのは平泉だけで、そこは内陸だからね
そこで言うなら、被害という被害はなにも感じられなかったよ

52: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:29:01.32 ID:D8AG7rjb0
レストランから出ると、先ほどとは打って変わってすんごい人混み

なんだなんだと思っていると、馬に乗った義経様が光臨なされた

どうやら一行のルートは毛越寺→義経堂→中尊寺になっていた模様
そうとは知らずに暢気に毛越寺から中尊寺まで来た俺たちは、
知らぬ間に祐太くんの追っかけみたいな状態になっていた

るり「ここにも来るんだw」

きい「ね、追っかけみたいw」

るり「あーやっぱ似てるw」

きい「笑った顔とかそっくりだよねw」

俺「!!!!??」

るり「俺さんモテますよね?」

俺「は?え?いや全然・・・(童貞です」

きい「うそだよ!絶対モテるw」

俺「いやいやほんとw そもそも似てるとかも初めて言われたよw」

るり
「えーすごい似てますよw 
 髪型もそうですけど、笑った顔が可愛い感じそっくりw」

俺「!!!??」

53: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:31:08.72 ID:D8AG7rjb0
そんな話をしてややパニックになっている所で
義経様は馬から降りて祭壇のような所へ向かい、儀式を始めた
そこで俺たちは引き返し、中尊寺を後にした

さっきは行けなかった義経堂へ向かい、
階段を上った先では平野が広がっていた

そこから向かって右側に石碑があり

『夏草や 兵どもが 夢の跡』

という有名な句が彫ってあった
勝手な解釈だけど、この眼前に広がる青葉で茂った平野を見て、
芭蕉はこの句を詠んだのではないかと感慨にふけっていた

女性陣2人は全く興味がないようで、学校の話をしていた
俺は資料館を見て、2人は景色を見ながら話し込んでいた
桜も咲いていたので、なんか雰囲気は良かったな

毛越寺と中尊寺は騒がしかったから、
それもあってここはすごくいい雰囲気だった

54: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:32:20.39 ID:D8AG7rjb0
義経堂を出ると、もう夕方になっていた

ここで風呂に入るため、公衆浴場というかスパというか
温泉施設を探していた

近くに平泉温泉なるものがあり、
○○の湯(名称はすっかり忘れた)という
公衆浴場を見つけたのでそこに向かう

温泉は時間制で、3時間いくら、6時間いくら、という感じだった
値段は100円ほどしか変わらなかったので
6時間にして、ゆっくりと過ごすことにした

俺は男湯で久しぶりの一人の時間を堪能し、ゆっくり温泉に入った
超気持ちいい

一人旅に来たのに全然一人じゃないな・・・とか思ったけど、
何だかんだ楽しいのでちょっとニヤけた
それを爺さんに見られてニヤけ返された

俺が出ると2人はまだのようで、
座敷のくつろぎスペースみたいなとこで2人を待つことにした
そこで横になると、
なんか久しぶりに横になった気がして少し眠ってしまった

55: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:34:05.96 ID:D8AG7rjb0
目を覚ますと2人は
もう風呂から上がっていて、俺の横にいた

俺「あぁごめん、寝ちゃってた」

るり「あ、いいですよ、ゆっくりしてください」

きい「そうですよー、ずっと運転してもらってるんですから」

俺「じゃーお言葉に甘えて横になっとくよw」

俺は仰向けに寝て、その横に2人が座っている
何だろう、なんか知らんけどちょっと幸せな気分になった

どうやら俺は30分程寝てしまっていたらしく、
温泉を出る頃には2時間が経過してすっかり夜になっていた
3時間コースで良かったじゃないかと思ったけど、
時間に追われたくなかったのでこれでいいのだ

車に乗り、とりあえず高速に乗りたかったので
さっさと近くのICから高速に突入する
岩手をある程度進み、9時頃になったところでSAに停車する

そこにもレストランがあったので、
夕食を済ませて土産コーナーを3人で回っていた

2人はキーホルダーみたいのを買っていたみたいだけど、
俺は旅のお供でもあるブラックブラックを購入した

56: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:35:44.08 ID:D8AG7rjb0
車をトイレの近くに移動して、
前日のように寝る準備をしてからトイレに向かった
俺がトイレから帰ると、2人は外に出て何か話してた

俺「寝ないの?」

るり「あ、えっと・・」

きい「あの、今日も運転席で寝るんですか?」

俺「だねー、でも昨日よりちょっとだけ席倒させてw」

るり&きい「(ヒソヒソ」

俺「ん?なに?」

きい「やっぱり座ったまま寝るのって疲れますよね?」

るり
「ずっと運転してるのに寝るときも
 横になれないってやっぱり辛いと思います」

きい「温泉でも寝ちゃってたし・・・」

俺「まぁ・・でもそこで横になったし、ある程度寝たから大丈夫だよ」

るり&きい「(ヒソヒソ」

俺「なによw」

るり「後ろで3人で寝ません?」

俺「!!!!!!????」

57: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:37:27.32 ID:D8AG7rjb0
俺「いや・・え?それはちょっとまずいんじゃない?」

きい「えーだってさすがに・・・2日連続は悪いですし・・・」

るり「2人でも余裕あったから大丈夫ですよ!」

俺「いやいや、結構狭いしさ・・・多分ぎゅーぎゅーならない?」

きい「大丈夫!1人分くらい余裕ありました!」

るり「ね、だから今日は普通に寝ましょ!」

俺「・・・いや2人がいいなら助かるけどさ・・・」

るり「よし、決定ー!w」

そう言うとるりは先に乗り込んだ

きい「じゃ、どうぞー」

俺「!!!!??」

58: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:39:34.77 ID:D8AG7rjb0
俺「・・・・・(え?俺が真ん中???」

俺「いやいやお先にどうぞ・・・」

きい「い・い・か・らっ!早くw」

そう言いながら押し込まれた

きい「お邪魔しまーすw」

俺「・・・・・(なんだこれ」

るり・俺・きいの順で文字通り川の字になった

俺は仰向けに寝てる

というか横向けないし、どっち向けばいいのよこれ状態

しかも狭いし・・・言ってることちゃうし・・・めっちゃくっつくし・・・

59: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:41:27.61 ID:D8AG7rjb0
るり「やっぱりちょっと狭いかな?w」

きい「大丈夫、結構あったかいしw」

俺「・・・・・(いい匂いする」

2人は仰向けだと肩が車の外側に当たって気になるらしく、
更に2人で会話することもあってそれぞれ内側を向いていた

2人は俺越しに会話を続け、ごそごそ動くたびに俺に身体が当たってくる
大変刺激的な状況に童貞の私は成す術がない

相変わらず2人の会話は留まる事を知らず、
たまにお互いに手を伸ばして突っ込みのようなことをする

お気付きかもしれないが、
俺を超えて手を伸ばして片方に触れようとすると、
手を伸ばした側の胸が俺に当たるのだ
そんなことを知ってか知らずか2人は
きゃっきゃきゃっきゃと俺を挟んでじゃれ合い続ける

一方、俺は死人のように両手を組んで腹の上へ置き、
ぴくりとも動けずにえも言われぬ恐怖に似た何かに包まれていた

ぴくりと動くのは俺の息子さんだけだった

60: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:43:44.78 ID:D8AG7rjb0
高校生の修学旅行かと疑いたくなるほどの
じゃれ合いを繰り広げる女子大生
それに挟まれている最早死人同然の俺は耐え切れずに言ってしまった

俺「場所・・・変わろっか?」

きい「あ、すいません、うるさいですよね・・・」

俺「いや、て言うか2人隣同士の方がいいんじゃないかなーって」

るり「疲れてるのにすいません・・・」

俺「あ、そう言うことじゃなくt」

きい「よし、寝ましょ!」

るり「明日で着いちゃうんだねーw」

きい「だねー、おやすみ!」

るり「おやすみなさーい」

俺「・・・・・(聞いちゃいない」

61: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:46:05.81 ID:D8AG7rjb0
先ほどから両手を組んで腹の上に乗せて
全く動けない俺は、とりあえず目を瞑ることにした

いつか寝れるだろうと思っていた俺に更なる恐怖が押し寄せる

2人は車の外壁にぶつかるのが嫌なのか、
それともそちら側が寒いのか分からないが、
中心に身体を寄せてくる
俺の頭の少し下、肩の辺りに2人の頭がくるので、
さっき入った温泉でのシャンプーの香りが俺の眠りを妨げる
ほぼ完全に2人とも横向きに俺に身を寄せる形となって落ち着いた

恐らく既に寝ていて、
寝相でそのような状態になったと思われるが、
こちらとしては大変困った状態
起こすと悪いので動けず、死人スタイルで俺の形は固定された

ひたすら目を瞑って寝れるのを待っていると、
どうやら俺も眠りにつけた模様

ふと目が覚めると、外は少し明るくなっていた
俺の体勢は全く変わっていない
2人もほぼ変わらず、変わっているとすれば
2人して俺の二の腕を掴んでいたことだけ

62: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:48:18.46 ID:D8AG7rjb0
どうも俺は誰かと寝たり、近くに誰かが寝ている状態、
修学旅行や合宿等の状態になるとよく眠れないらしい
いや、眠れているのかもしれないけど、
目を覚ますときは決まって「・・スーッ」とゆっくりと目を開けるだけ
パッと目が覚めたり、ウーンムニャムニャみたいに
伸びをしながら起きるなんてことはないんだ

寝ていた体勢のまま、「・・スーッ」と目が覚めた

そのお陰で2人を起こすことはなかったが、この状態は俺も起きれない
スマホは助手席にあるので時間を確認することも出来ず、
とりあえず2人を起こしてしまうのを覚悟で身体を起こす

うまいこと起こさずにスマホゲットで時間を確認すると、朝の5時半
なかなかいい時間に起きることが出来てちょっとだけ嬉しい

外に出て身体を伸ばしたかったので、
新たなミッションに挑戦することになる

63: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:49:54.66 ID:D8AG7rjb0
2人を起こさずに外に出る

起こしてしまっても問題なさそうだけど、
なんとなく気持ち良さそうに寝てるのを起こすのは忍びない

俺はきいを跨いで外に出ようとするのだが、
狭いので立つことが出来ない

そこで両手両足をついた状態、
つまり四つん這いで跨いでいこうとする
するとどうでしょう、
俺が四つん這いになっている下にスヤスヤ寝ている女子大生

これは今起きられると非常にまずい気がする

第三者が見たら完全に女の子を襲おうとしているおっさんの図
だがしかしこの状況に俺の身体が少し硬直してしまった

なぜならちょっとドキドキしたから!

64: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:51:16.82 ID:D8AG7rjb0
当然のことながらこのまま動かない訳にはいかないので、
触れないようにそっと外に出る

車のドアを締めた後、カーテンの隙間から中を見ると、
どうやら起こさずに脱出することに成功したらしい

一晩振りに開放されて、
背伸びをすると朝の冷え込んだ空気と相まってとっても清清しい
そのままトイレからのコーヒータイムという
いつものパターンで15分程過ごし、車に戻る

さすがにあの中に戻るのは辛いものがあるので、
運転席で時間を潰すことにする
こっちで寝た方がすっきり寝れたかもしれないな・・・
なんてことを思っていると、るりが起きた

るり「あれ?あ、おはようございます」

俺「おはよー」

るり「もしかしてそっちで寝ました?」

俺「いや、さっき起きて外に出てたんだよね。
  起こすと悪いからこっちに戻っただけだよ」

るり「そうですか、なら良かったw ちゃんと寝れましたか?」

俺「あー・・お陰さまでぐっすりです(嘘」

るり「良かったw ちょっとトイレ行ってきます」

65: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:53:45.43 ID:D8AG7rjb0
なんて話してるときいも起きて、一緒に外に出て行った
まだ車の中は片付けず、
そのままにしてちょっとゆっくりすることにした

きい「今日で着いちゃいますねー」

るり「ねー、すごい楽しかったw」

きい「ほんとねw お祭りもあったし、川もキレイだったし、温泉入れたし!」

るり「それ!温泉入れるとかすごい嬉しかったーw」

俺「寄り道はしたけど楽しんでくれたんなら良かったよw」

るり&きい「「楽しかったですよー!」」

きい「俺さんもすごいいい人だったんで、めっちゃ楽しかったです」

俺「いやいや、乗せただけだからねw」

るり「だけじゃないですよ、ほんと!」

きい「ほんとそれw」

お礼とヨイショタイムに俺氏照れっぱなし

66: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:55:16.64 ID:D8AG7rjb0
準備して6時半頃に出発

車の中では相変わらず賑やかに話が盛り上がっていた

俺の仕事のこととか、これから行くところ
2人の過去の話や、今回の思い出話
色々話してるうちに八戸到着

実家の近くだと言うコンビニで2人を降ろし、
外でまた話をするが、話すのはやはりお礼のことばかり
ひたすらお礼を言われてヨイショされ、俺は車に乗り込む

手を振りまくる2人をミラー越しに眺め、車を出す
コンビニから出ても2人はずっとこっちに手を振ってる

俺も走りながら窓から手を出し、パタパタと手を振る
少なくとも2人は見えなくなるまで手を振っていたと思う

ここから俺の旅はまた一人旅に戻ることになる

67: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:56:43.00 ID:D8AG7rjb0
一人旅が好きなはずだった俺だけど、
しばらくあの賑やかな中で過ごしたらさすがに少し寂しくなった

もうこのまま帰ろうかとさえ思うほどだった
なんだかんだでやっぱり楽しかったなーと思いながら大間へ向かう

道中、コンビニに寄って、助手席に置いてあった荷物を
後部座席で移動させようとしたら何かを発見した

書き置きだった
2人が1枚の紙にお礼の言葉を書いていた

『ありがとう、ほんとに楽しかった。
 東京に遊びに来ることがあったら連絡ください』

みたいな内容だった
下の方に2人のLINE IDとメールアドレス

もう会えないと思っていたのでちょっと嬉しかったけど、
俺は当時LINEを登録してなかったのでとりあえず置いておいた

68: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/28(月) 23:58:13.39 ID:D8AG7rjb0
どの道多分会うことはないだろう

家に帰ったら連絡だけはしようと思って
財布の中に畳んでしまっておいた

なんか寂しい気分で大間に向かっていたけど、これがまた遠い
青森に入ってしまえばすぐだろうと思っていたけどとんでもなかった
地図ちゃんと見れば良かった

いや、遠いと感じただけかもしれない
一人でずっと運転していると長く感じるのかもしれないね
これまではそれが普通で当たり前だったけど、
今回の出来事でやっぱり数人で旅行するのもいいのかななんて思ったりした

そんなこんなで大間に到着

69: 1 ◆WRZgIaOVGE 2014/04/29(火) 00:01:07.39 ID:vUl2AkCi0
ごめん、結構時間かかりそうだからちょっと風呂に入ってくる
多分1時間はかからないと思うけど、
もし見てくれてる人がいるならちょっとだけ待っててください

ちなみに書き溜めしてるのはまだ半分もいってない模様

70: 名も無き被検体774号+ 2014/04/29(火) 00:02:15.29 ID:FDmoJ9M40
まじか。
まってるぞ。

71: 名も無き被検体774号+ 2014/04/29(火) 00:08:09.86 ID:U8K2qVjg0
ワイも楽しみに待ってるで~

72: 名も無き被検体774号+ 2014/04/29(火) 00:13:01.66 ID:mBr4ez9q0
そうだ、青森いこう。

73: 名も無き被検体774号+ 2014/04/29(火) 00:28:43.74 ID:NT5l1U2U0
はよー

74: 名も無き被検体774号+ 2014/04/29(火) 00:34:58.68 ID:L/bgE/Kf0
面白い、続き気になるー


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引用元 去年のGWでの一人旅のお話