前編へ ※後編へ


91:  2011/10/30(日) 00:18:02.21 ID:uXmFqIlmO
仕事終わりました 
今から寝るまでの間続き書いていこうと思います 
見てくれている方いつもありがとうございます 
では以下年末年始編です

92: 名も無き被検体774号+ 2011/10/30(日) 00:18:46.22 ID:Z8gPptMvP
チラッ

人気記事(他サイト様)


93:  2011/10/30(日) 00:24:54.11 ID:uXmFqIlmO
クリスマスツリーを購入してから
少し気が晴れた私はその後は大人しく働いていた。 
日を追うごとに居酒屋の方では忘年会も増える。 
忙しくて昼飯を食う暇もなく、
雑貨屋が終わり居酒屋に移動するまでの間、
毎日走りながらちくわ食ってたww 
光熱費を払う暇もない。 
ガスが泊まった。 
10日くらい毎日早朝銭湯に通ったww 
私生活的には最悪だったが、仕事的には割と頑張ってたと思う。 
そんな私にキリストが味方したのか、予想外の出来事が起こった。

94:  2011/10/30(日) 00:32:31.47 ID:uXmFqIlmO
クリスマスイブ前日、突然に雑貨屋店長が私を呼び出した 

「1さん、悪いけど、〇〇さん1さんの休みになってる日に
 どうしても出れないらしくて、出勤してくれない?
 代わりに明日は急遽お休みって事にするから」


私はポカンとしたまま、無言で頷いたと思う。 
完全に諦めていたのに、イブが休みになってしまった。 
しかし、前日に言われても、今更予定が組めない。 
どうしよう。 
でも嬉しい。 

更にラッキーな事にこの年のクリスマスは、居酒屋が定休日の曜日だった。 
本当に久々の全休だった。 
その日の居酒屋に向かう途中の足どりは軽かった。 
出勤してすぐに、マキコさんにこの事を話した。

95:  2011/10/30(日) 00:42:38.22 ID:uXmFqIlmO
1「マキコさん私明日休みになっちゃいましたww」


マキコ「え!昼も」


1「はいwでもする事ないんですよね、
  マキコさん明日昼飯でも食いに行きませんか?」

マキコ
「昼飯じゃなくて、クリスマスパーティーするよ!マキコが飯作るから!」

1「え?でもマキコさん修三さんと二人で過ごさなくていいんですか?」


マキコ
「いいのよ、修三とは25日にすれば。
修三とは、いつでもゆっくり出来るんだから」



マキコさんは前々から、
クリスマスは修三さんと家で祝うと言っていたのでまさか、
こんなふうに言ってもらえると思ってなかった 

言われて考えてみたら、
最後にマキコさんとゆっくり飲んだのは随分前だった。 
クリスマスツリーを買った事によってクリスマスに敬意が払えていたのか 

その年のクリスマスは、何だか私の味方だった

96:  2011/10/30(日) 00:52:00.05 ID:uXmFqIlmO
クリスマス当日、私は張り切って朝から部屋を掃除した。 
駅のモールで、シャンパンとクリスマスデザインのお菓子をいっぱい 
近所の美味しいと有名なケーキ屋で、
二人では食べ切れない程デカイケーキを、奮発して買った。 
かなりテンションが高かったのである。 
準備は万端だった。 


が、しかし 

待てどくらせどマキコさんは来ない。 
4時の約束だったのに、5時を過ぎても連絡も無い。 
冬の日没は早い。部屋が暗くなっていった。 
クリスマスツリーの電気だけがチラチラしてる。 
5時半を回った頃、不安になった私はようやくマキコさんに電話した 
(今考えればもっと早くしろよ、と思う)

97: 名も無き被検体774号+ 2011/10/30(日) 00:54:10.73 ID:un1DEp4c0
きっと君は来ない~♪

98:  2011/10/30(日) 00:58:30.34 ID:uXmFqIlmO
1「マキコさん…」

マキコ「1何やってんのよ!!?」

1「え…!」

マキコ「もうとっくにご飯出来たよ!」

1「え、マキコさん、今どこにいるんですか!?」

マキコ「はあ?家に決まってんじゃん」

1「え!!今日マキコさんちでするんですか!?」

マキコ「あたりまえじゃん」
1「でも…ツリーはうちに」

マキコ「この前写真で見た」
1「…でも二万九千円もした、」

マキコ「早く来てよ」


プッツーツー…… 


結局、私のツリーはパーティーでは活躍しないまま自宅に置き去りにされ 
ケーキとシャンパンその他色々クリスマスグッズを抱えて
ヨロヨロしながらマキコさんちまで自転車を走らせた。

99:  2011/10/30(日) 01:16:14.07 ID:uXmFqIlmO
マキコさんちに着いたら、コタツの上には鍋のセット 
ビールがたくさん、腕まくりをして料理を作るマキコさんがあった。 

ツリーは無いが、パーティーだ! 
私はわくわくしながら、マキコさんに聞いた。 


1「マキコさん!何作ってるんですか?」

マキコ「とうがん鍋」


【解説】 
「とうがん」とは、大根に似た野菜である。
大根よりも柔らかく味が良く染み、煮物などに最適である 


1「とうがんですか…」

マキコ「とうがんよ」

1「…でも普通、クリスマスつったらチキンとかですよね」

マキコ「チキン入ってるよ」

とうがんの隙間に、鶏肉が煮えていた。 


1「マキコさん、今、レンジであっためてるのは?」

マキコ「中華ちまき」

1「クリスマスなのに、中華ちまき」

マキコ「好きでしょ」

1「好きですけど」

マキコ「ん?それ何?」

1「あ!マキコさん、モールで買ってきたんですよ!お土産です!」

マキコさんへのお土産は
サンタクロースの形の真っ赤な可愛い砂糖菓子だった。 
お菓子というよりは、クリスマスっぽく飾っておくような 

マキコ「へー(ガサガサガサガ)」

マキコさん即開封 


マキコ「ガブ!!(サンタの頭をかじる)」

1「…!!!」

マキコ「んー……!チェリー味!!」

1「チェリー味ですか……」

首無しのサンタが残り、オブジェは消えた

100:  2011/10/30(日) 01:36:12.93 ID:uXmFqIlmO
1「マキコさん!シャンパンも買ってきたんですよ」

マキコ「ふーん…(再び即開封)甘い!!やる!焼酎!!」

結局、マキコさんとクリスマスぽい事は
何も出来なかったが、なんだかんだ凄く楽しかった。 
ご飯を食べた後、マキコさんと飲みながら色々話をした。 

マキコ「高校の頃はね、親と仲悪かったのよ、一年くらい口聞いて無かった」

1「なんでですか?」

マキコ
「付き合ってた人が居たんだけど、その人と付き合うな!って言われたのね、
 でもその人と付き合ってるなんて一回も言った事無かったのに。
 何で知ってるのかと思ったら、
 マキコの日記をずっと勝手に読まれてたんだ」


1「…」


マキコ「そっからしばらく、人を信用出来なかったね」

しかし、今マキコさんは両親と、とても仲良しだという。 
マキコさんは言った。 
和解するのに、時間は掛かった。 
でも、お互いに、本当の本当の本音を言い合わなきゃ意味がないから 
無駄な時間だったとは思わない、と 

それから、マキコさんとカラオケに行き、5時間くらい歌った。 
翌日、私の声は、椿鬼奴みたいになり、一週間くらい戻らなかった

101:  2011/10/30(日) 01:41:42.71 ID:uXmFqIlmO
という感じに、年末年始編は終了です 

102:  2011/10/30(日) 02:10:17.55 ID:uXmFqIlmO
続きはまた明日 
オマケにマキコさんのエピソードを一つ 


マキコさんは下ネタが大好きだった 
私はTSUTAYAが大好きだった 
そんな私達が、ある時、DVDの話を、していた。 


1「マキコさん映画とか見るんですか」


マキコ「見たいねあるのよ!超エロいやつ」


1「なんですか」


マキコ「えーと、杉本あやが出てたー」


1「ああ~、なんでしたっけ」

マキコ「…~と蛇」


1「なんでしたっけ」


マキコ「~~…と蛇」


1「なんでしたっけ」


マキコ「そうだ!ハブと蛇た!!」


1「両方蛇じゃないですか!!?」


A.花と蛇

103: 名も無き被検体774号+ 2011/10/30(日) 02:10:45.45 ID:0jPgbfSIO
お疲れ様♪ 
これは19歳の冬?

104:  2011/10/30(日) 02:14:03.53 ID:uXmFqIlmO
>>103 
はい19歳でした

105: 忍法帖【Lv=5,xxxP】 2011/10/30(日) 09:06:32.51 ID:y0hIT7T1O
>>104 
そうか 未成年の飲酒か

106: 名も無き被検体774号+ 2011/10/30(日) 09:43:08.67 ID:hyu8P7N90
>>104 
そーかそーか。

107:  2011/10/30(日) 16:34:08.95 ID:uXmFqIlmO
>>105 
>>106 
そうですあの頃の自分はノータリンだったので 
いつか突っ込まれるだろうと思いつつ、
お酒絡みのエピソードが多いのでそのまま書きました 
まずければもうこのまま終了しますが、
身バレ防止でちょこちょこフェイク入れてるので 
あくまで、実話に基づいた話と思って頂けたらと思っています

108: 名も無き被検体774号+ 2011/10/30(日) 19:02:42.95 ID:LQjDhdp60
>>99 
念のため、とうがん=冬瓜 
根菜ではなく瓜科。おいしいですよね。

109: 名も無き被検体774号+ 2011/10/30(日) 23:18:39.45 ID:fOhnY97n0
このまま続けてほしいな。 
諸事情は読み手の技量と読解力が試されるということで。

110: 名も無き被検体774号+ 2011/10/31(月) 00:40:29.18 ID:Lxo5u6Bl0
あーあ…1の文とかマキコさんエピとかすごく面白かったのにな~ 
にちゃんのびっぷらまで来て
正論振りかざして水を刺す人ってなんなの? 

111: 名も無き被検体774号+ 2011/10/31(月) 10:39:51.78 ID:h1zzO+dZO
>>105だが 別にやめろとかそういうことを言った訳ではないぞ?

112: 名も無き被検体774号+ 2011/10/31(月) 11:06:50.10 ID:Lxo5u6Bl0
>>105 
>>111 

じゃあその発言で盛り上がるとでも思ったの? 
それとも普段から脳内だだ漏れで
ナチュラルに周囲を白けさせてるのに自覚ない人なの? 

113:  2011/10/31(月) 14:00:46.91 ID:6TAA1TJEO
1です遅くなりました 
なんか色々すみません… 
私も最初年齢をズラそうとか迷ったんですが、
矛盾が出てきてしまいそうなのでこのまま書きました 
過去の話だしセーフかなあ、と軽く思って 
自分的にも出来れば最後まで書いてみたいので、
お言葉に甘えて続きやっていこうと思います 
でもこれ以上問題が出ないように出来るだけ早く終わらせたいと思います 
今日か明日までには!

114:  2011/10/31(月) 14:20:18.14 ID:6TAA1TJEO
年明けて2月 
店長が独立の為、藤井さんが就職の為に辞めた 
私がここに来てもうすぐ一年、
半分のメンバーが入れ替わっていた 
仲良しメンバーで残ったのはついに私、マキコさん、翔、の三人 
話す時の輪が小さくなったのを日を追うごとに実感していった。 
雑貨屋も、怒られながらも続けていたが、
この時、私は3月いっぱいで雑貨屋辞めようかな… 
と思っていた 
年末年始忙しかったぶんの燃え尽き症候群でもあると思うが、
居酒屋優先の生活に戻りたい、という感情もあると思う。 
なんだか寂しくてこれ以上楽しかった生活を変えたくなくて、
楽な方に流されたい、という緩みが私の中に生まれていた

115:  2011/10/31(月) 14:36:11.62 ID:6TAA1TJEO
そんな事を考えながら、過ごしていたある日 
雑貨屋の女性の先輩(ちっちゃくて可愛くて優しくて、
猫村さんみたいだったから以下猫村さん) 
が、なんだか嬉しそうに私に話し掛けてきた 

猫村「ねえねえ!1さんがかいたコップ!売れたよ!」


私がかいたコップ? 
最初訳がわからずに居たが、猫村さんの説明でようやく思い出した。 
商品の一つに、自分でかいたイラストをマグカップ出来るという
オリジナルマグカップキットがあったんだが 
こういう風に仕上がる、というサンプルに
私のかいたイラストで作ったコップを置いておいたのだ 
それをレジに持ってきたお客様が居たという 
猫村さんが 
「すみません…それは商品じゃないんです」
と伝えたら 
「この絵が好きだから、いくらでもいいので売って欲しい」
と言われ、売れたという事だった 
私はずっとポカンとしていた 
作業も遅いし、店長に怒られてばかり 
毎日びくびくしながら、行きたくねー、
と思いながら居る私が、ここに勤めている意味 
私はこの店で、初めて役に立ったのだろうか…? 
帰り道、歩きながら考えていた。 
色々考えながら、思い出したのは、
確かに確かに小さい頃は私は絵を描くのが好きだった事。 
コンクールの為にデッサンや色を指定されたり、
描きたくない物をかかされるようになる前は 
確かに私は絵を描くのが好きだった 
専門に居た頃に、この事を思い出した事は一度も無かったのに

116:  2011/10/31(月) 15:00:28.65 ID:6TAA1TJEO
この事をマキコさんに話した 
するとマキコさんは 
「好きじゃん、あんた絵描くの。
 あんた絵描いてる時真剣に楽しそうだから、
 そん時だけはなんかイタズラできないもんww」

私は居酒屋でも看板やメニューの挿絵を描いていたので、
マキコさんは私が絵を描いているのを見た事がある。 
マキコさんに楽しそうだ、と言われたが、
私はただ店長に描いて、と言われたから描いてるだけのつもりだった 

専門を辞めた時点で、私の「絵」という物は終わったと思っていた。 
この先の人生は絵にまったく関わらない道を進む。 
(大袈裟かもしれないが、
 小学生時代と高校二年間くらいは本当割と
 義務的に絵を習っていたので、好きとは思わなかったが、
 絵が自分の中を占める割合は大きかった) 

しかし、働きながらも、私はなんだかんだ絵を描いている 
しかも専門や昔の頃よりも楽しそうらしい 
専門から社会、というフィールドに移って、
絵がわずかながらも役に立っている 
今までなんとなくやってた「絵」という物が少しは活かされている 

ずっと不安だった 
「専門を辞めて、まともに働いている人は少ない」

という言葉 

この時、私はやっと、悪い方には向かっていないはずだ 
という確信が持てるようになった。 
雑貨屋を3月いっぱいで辞めようと思っていた事は、
この時はもう忘れていた。

117:  2011/10/31(月) 15:17:52.75 ID:6TAA1TJEO
この事があってから、
雑貨屋の仕事にも結構前向きに取り組むようになっていった。 
そんなある日、
店内で作業をしていたら店長にレジの中に呼ばれた。 
また怒られる…とドキドキしながら向かったら、
パソコンを向いていた店長に尋ねられた 


店長「ねえ、次入れる商品なんだけど、どっちがいいと思う?」

1「え!」

店長「え!じゃなくて、こっちとこっち、どっちがいいかな」

1「えー、こっちですかね…」

店長「うーん、でもこっちは去年入れた時あんまり売れなかったんだよね」

1「じゃ、じゃあこっちですかね?」

店長「でも最初はこっちがいいと思ったんでしょ?真剣に考えてる?」


何なんだ…新手のイジメかと思いながらも話し合い、
結局店長押しの方に決まり、作業に戻ろうとした 

すると、ぽつり、と店長が呟いた 


「1さんがポップかいた商品、よく売れるよ」


店長に、初めて、褒められたのだ 
と気付くまでに時間が掛かった。 
冷静を装っていたが、内心天井まで跳ね上がりたい位嬉しかった 
やったやったやったぞー!という
心の声が私のやる気のエンジンをオンにしたのであった。

118:  2011/10/31(月) 15:21:44.66 ID:6TAA1TJEO
それから5月くらいまでは、一番精力的に働いたと思う。 
今度はいい意味で忙しくて、
もう寂しいという気持ちや辞めたいという気持ちは無かった。 
ここまでは順調だったが、
その年すっかり暖かくなってきた頃に掛かってきた
一本の電話が私の運命を変えることになった

119:  2011/10/31(月) 15:28:59.93 ID:6TAA1TJEO
その日の仕事終わりの夜、実家の姉からから電話が掛かってきた 
始めは軽い近況報告だったが、
何かいつもと雰囲気が違う事は感じていた 
少しの沈黙の後、一切冗談の無い声で姉が呟いた 


「1さ、もう学校行ってないのに、いつまでそっちに居るの?」


いきなりそんな事を言われ、カチンときた私は、
ちょっとキレ気味に仕事やってるし辞めるわけにはいかない 
仕送り貰ってるわけじゃないんだから、とやかく言われたくない 
と 

そんな私の言い分に、姉は私よりも更にキレ気味の声で言った。 


「お母さん達黙ってるからあんたは知らないだろうけど!
 こっちは今大変なんだよ!!
 それなのに何であんただけ勝手に過ごしてるの!?」


何の話か分からず動揺していたら、姉が少づつ話し始めた。 
姉から聞かされた内容を私は今まで一切知らなかった

120:  2011/10/31(月) 15:39:59.09 ID:6TAA1TJEO
そう大昔の話じゃないので覚えている人もいると思うが 
某食品会社の汚染米事件。うちの実家はお菓子会社を経営してて、
米粉を使ったお菓子も多く作っている 

その事件後、その某食品会社から
仕入れた物を使っている疑惑がある会社として
うちの会社の名前が新聞に載ってしまったらしい 
もちろんうちの会社は某食品会社の米粉なんて使っていない 
記事は嘘だった。 
しかし、新聞を見た取引先が
いくつもうちとの契約を打ち切ってきたという 

そのせいで会社は大赤字。
お母さんは体重が10キロ近く減り、お父さんはノイローゼ気味 
更に悪い事は重なるようで、おばあちゃんが交通事故にあった 
幸い命に別状は無かったが、歳なのでかなり気落ちしている 

私はこの年、正月実家に帰らなかったので、何も知らなかった。 
電話で話す両親はいつも元気そうに、
仕事頑張ってる?としか言ってこないから。 
頭をハンマーで殴られたみたいな衝撃だった

121:  2011/10/31(月) 15:43:18.40 ID:6TAA1TJEO
すみません、
なんだか思い出して疲れてきたのでちょっと休憩します 
今日中に終わらせるのはやっぱり無理かもです… 
でも大分クライマックス入ってきたので
あと少しお付き合い頂けたらと思います

122: 名も無き被検体774号+ 2011/10/31(月) 18:38:07.62 ID:yPVTV95M0
今日中とか決め込まなくていいと思うんで、
ぼちぼち書いてください

123: 名も無き被検体774号+ 2011/10/31(月) 20:51:56.83 ID:bBDpfkUm0
うむ。読みやすいし面白い 
ゆっくりでいいよ。

125: 名も無き被検体774号+ 2011/11/01(火) 09:51:20.55 ID:+OnDsEWs0
じっくり書いてちょーだい

130: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 12:50:42.13 ID:Q5viXwLO0
来ねーな、

131:  2011/11/04(金) 14:19:16.20 ID:LgOIUAUSO
突然消えてすみません 
お久しぶりです 
1です 
今から続き書いていきます終わればいいですが…!

132:  2011/11/04(金) 14:34:03.21 ID:LgOIUAUSO
電話を切った後、私は考えた。 
帰った方がいいのだろうか。いや帰った方がいいに決まっている。 
今家賃や光熱費などの必要経費は、
実家に帰れば要らなくなるので、その分家に入れられるし 
何より精神面で傍に居て支えてあげられる 
でも正直な本音は帰りたくなかった。 
最初に書いた通り、私は社会に出れば本当に
仲のいい友達と呼べる人なんてそう出来ないと思っていた 
マキコさんと仲良くなってその考えは少しづつ変わっていったが 
結局、近くにいなければ、
マキコさんとも次第に疎遠になっていくだろうと思った。 
高校で別れたり進学や就職で別れた友人達とは必ず、
「すぐに会える」「絶対に年に何回か集まろう」
と言うが、現実それはあまり叶ってこなかった 
別に縁が切れるわけではないが、お互いに忙しかったり、
新しい生活優先になったりで、都合が合わなくなってくる 
何回も断っているうちに、お互いにもう諦めてしまう。 
諦めてしまえば、会わなくても、平気になってしまう。 
マキコさんとそうなるのが私は怖かった。 
その日の夜は眠れなかった。

133:  2011/11/04(金) 14:43:12.50 ID:LgOIUAUSO
その翌日、明らかに元気の無い私にマキコさんは聞いた 

「なんかあったの?」


でも私はこの事をマキコさんに話せなかった。 
マキコさんは大人で、すごく家族想いな人だ 
(マキコさんも遠くはないけど出身はこの町ではないが、
 必ず年に何回かは無理矢理時間を作って帰省したり、
 家族をこっちに呼んだりしている) 

マキコさんに話したら、
絶対に帰ってあげた方がいいと言う事は分かっていた。 
マキコさんにそう言われてしまえば、私にはもうなす術が無くなる。 

ただ、お姉ちゃんと電話でちょっと喧嘩した、とだけ言って話題を変えたが 

結構鋭いマキコさんは真顔だった。 
他にも何かありそうな事に気づいていたと思うが、
私がそれ以上何も話そうとしないので 
マキコさんも追求はして来なかった。 
この日から、本当に少ーしづつだが、
マキコさんとの関係がギクシャクしていった。

134:  2011/11/04(金) 14:56:12.49 ID:LgOIUAUSO
それからも、毎日この事で悩んでいたが、誰にも言えなかった。 
誰にも言えなかったのは、
私の中では「帰りたくない 」という気持ちがあったので 
誰かに「帰った方がいい」「帰りなさい」言わるのが怖かったから 

その意見が正論で、
自分が勝手な事も自覚していたので余計に話せず逃げていた。 

マキコさんはまだ私を疑っていた。 
居酒屋の時みんなで馬鹿話してて、私は普通にしているつもりでも 

「1今日ノリ悪いね、何かあったっしょ?」

など何回も聞いてきていた。 
私はその度に、はぐらかしていたが、回数が多くなるにつれ 

「別に何もないっすよ、別にのってるじゃないすか」

と、少し苛立った返しをしてしまう事もあった。 
マキコさんはそれでも冗談で返してくれたが 
別に何も悪くないマキコさんに八つ当たりしてしまい、
帰宅してから自己嫌悪していた。 

そうなるのが嫌で、
忙しいふりをして若干マキコさんを避けたりもした 

話す時はいつも通り、ふざけたり冗談言ったりして、
避けてるとは悟られないよう自分なりに頑張っていたが 

上辺の態度が嫌いなマキコさんにはそんな物通用しなかった

135:  2011/11/04(金) 15:11:40.99 ID:LgOIUAUSO
そんなこんなで6月、
ギクシャクはしながらも、マキコさんとはまだ仲良かったし 
居酒屋に新人さんが入ったり、雑貨屋も忙しかったりで、
「何か」が変化している事に私は一切気づいていなかった。 

そんなある日、雑貨屋の終わりに、たまたま藤井さんに会った。 
藤井さんは2月いっぱいで辞めた後、就職して美容師になっていた。 
久しぶりだったので軽く話していたら 
藤井さんが思い出したように言った 

「あ!1ちゃんこの前は来なかったけど、
 今度はちゃんと休み取って参加してよ~!」

藤井さんが言ってる内容が分からずにいたら
藤井さんも不思議そうにしていた 
嫌な予感がして心臓がバクバクしていた 

「ほら…この前、久々にマキコさんと修三さんと翔と俺、
 集まって、1ちゃんは仕事だから来れないって」


そんな事があったなんて、私は一切聞かされていなかった。 
例え本当に仕事で来れない時も、いつもなら必ず誘いの声は掛けられる 
マキコさんはどんな飲み会も絶対にいつも私を最初に誘ってくれていた。 
むしろ 
「今度の日曜さ~〇〇行きたいんだけど、他に誰誘おっか」
など、私とマキコさんで決めるみたいな感じで 

藤井さんは変な表情をしていたが、
私は絶対に悟られたくないと、必死になりながら笑ってごまかし 
「今から居酒屋だからまたメールします」と言って去ってしまった。 

藤井さんと別れて10メートルくらいたった所で
私は自分が笑っていない事に気付いた。

136:  2011/11/04(金) 15:25:01.75 ID:LgOIUAUSO
その日の居酒屋 

なんとか出勤したが、
正直頭の中がぐちゃぐちゃで、帰りたかった。 

制服に着替えて、
店に向かってる途中、マキコさんと誰かが喋っていた。 

私に気付いたマキコさんが 

「1おはよ!」

と言ってきた。いつもと変わらず笑って声を掛けてくれたが、
その時の私は疑いの心でいっぱいだった。 

本当は私に苛ついてるんじゃないのか、嫌っているんじゃないのか 
義理で仲良さそうにしてるんじゃないのか 
マキコさんの事はよく分かっているはずなのに 
そんな被害妄想でいっぱいだった。 

マキコさんの挨拶に、私は目を合わせないまま
「おはようございます」とだけ言って素通りした。 

後ろでシーンとしたマキコさん達の感じが伝わってきたが、
私は表情を確かめる事が出来ず、そのまま出勤した。 

この日、私はマキコさんと必要以上の事は話さなかった。 
マキコさん以外の人とは普通に話していたので、
様子がおかしいとかは周りには思われなかったと思う。 

ただ、終わった後 
いつもならマキコさんとジュース飲んだり喋ったりを毎日していたのだが 
その日、私は何も言わずに先に帰った。 
完全に一時の感情による物。 
冷静になれば、色々事情があったのか、とも思えたのに。 
私はガキだった。 
この日、私は完全に判断を間違えたのだった。

137:  2011/11/04(金) 15:42:23.23 ID:LgOIUAUSO
次の日から、事態は変わった。 
マキコさんは私にほとんど話掛けてこなくなった。 
私もマキコさんと話さなかった。 
お互いに他の人とは普通に話していたので、喧嘩みたいではなかった。 
まるで、初めから仲良くない人達みたいな感じになっていた。 
仕事中の私は完全に以前の人間関係に冷めた私に戻って、
こんなもんだ、とふわふわした、
地に足が着かないような感じで過ごしていが 
一日が終わって、家に帰って、
鍵を閉めた瞬間、毎日寝るまで号泣していた。 

本当この時期、
多分一ヶ月くらい、毎日帰ってから目茶苦茶に泣いていた 

多分ちょっと頭おかしくなってたと思うww 

本当に、本当にこの一ヶ月は地獄だった。 

居酒屋で、他の人とは普通に話していたが、ふと 
「なんか、最近、全然言葉を発してないな」
と思う事が多くなった。 
それだけ今までマキコさんと話して、笑っていたのだと思い知った。 
家で泣いてる時、色んな事を思い出していた。 
飲み会たのしかったなー、とかクリスマスたのしかったなー、とか 
泣いてるのに、思い出して笑ったりしていたww 

昼は冷めてて、
夜は熱く泣き尽くした日々を過ごしていた6月の後半、
多分最後の涙が尽きたのだろう 

ふと 

「しゃーない、地元帰るか」
と思った。 

本当、仕方ない、と思った。 
もうこの場所に縋り付く、理由が無くなってしまった。と 
本当は、居酒屋も雑貨屋も好きになっていた。 
前みたいにマキコさん達とみんなで仲良くしたかった。 
でも、きっともう無理だ仕方ない、帰ろうと思ったきっかけはそれだけ。 
本当に最後まで勝手だった。 

7月いっぱいで居酒屋を辞める事を、涼子さんに伝えた。 
マキコさんには、まだ言えなかった。

138: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 15:48:55.06 ID:Djw9lABs0
ハラハラ・・・ドキドキ

139:  2011/11/04(金) 15:55:49.91 ID:LgOIUAUSO
居酒屋を辞めると決めてから、少しだけ気が楽になった。 
6月の終わり、一人で休憩してたら翔が話し掛けてきた 

「1、7月で辞めるの?」


涼子さんから聞いたらしい。凄いびっくりしてた。 
なんか笑ったww 

1「うん」

翔「えーやだなあ寂しいじゃん…」

1「ありがとうwもう疲れちゃってさー」

翔「ていうかさーなんかあったのマキコさんも心配してるんだよ」


マキコさん、という単語が出てきてドキっとした私は、
思わず強引に話題を変えた 


1「いやいや!それより、私三日後誕生日なんだよ!何かちょうだい!」

翔「あ!そうじゃん!いいよ!何がいい?」

1「え!本当に何かくれんの?いーよw冗談だよw」

翔「いーよいーよ!あげるよ!ww」

1「マジで!じゃあオールドファッションw」

翔「オールドファッションww了解ww」


私とマキコさんが話さなくなってからマキコさんと
仲良い翔とも必然的にあまり絡まなくなっていたので 
久々に翔とゆっくり話した 
やっぱりここは楽しいな~辞めたくね~な~ 
と思ったがもう7月で辞めるのは決まっている 
人も募集してる。 
気楽になった次は、やっぱり寂しくなった

140:  2011/11/04(金) 16:10:01.31 ID:LgOIUAUSO
6月も末も末 
そして私の誕生日。 
居酒屋に出勤したら、涼子さんに言われた 
「1、7月いっぱいていう事になってたけど 
 思ってたより早く人集まりそうだから、
 もし早めに終わりたいなら6月いっぱいでも大丈夫そうだよ 
 どうする?」

最初私は出来るだけ早く辞めたい、と言っていた 
とにかくマキコさんと口を利かない日々がしんどかったし、
7月は雑貨屋も忙しいので 
だから私は涼子さんの問いにお願いしますと言った 
最終的に7月頭数日だけ出勤する事になったが 
私の出勤日数はもう片手で余るくらいに迫っていた。 
そしてその日もいつも通り終了して、
帰ろうとしたら翔がミスタードーナツをくれた 

翔「昼に買ったから時間経っちゃったww頑張って今日中に食べて」

オールドファッション以外にもチョコファッションや
ポンデリングなど大量に入った袋を買ってきてくれて 
とても感動した。辞める事が益々寂しくなってきた。 
なんか色んな物が湧き上がってきたんだよね 
寂しい、嬉しい、辛い、懐かしい、でも悪い気分じゃない 
痛いけど優しいみたいな 

そんなホクホクした気持ちでドーナツを抱えて家路についている途中 

着信が鳴った。 

ドーナツやら荷物やら抱えて手が離せない状態だったので
家に着くまで私は電話を無視して、
部屋で腰を下ろして電話を確認した 


マキコさんだった。

141: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 16:20:43.90 ID:/DkOZP6v0
俺もオールドファッション好き!

142:  2011/11/04(金) 16:33:58.48 ID:LgOIUAUSO
この時点で、本当に私はマキコさんと一月近く口聞いてなかった。 

酷い日は挨拶すらしなかった事もある 

なのに、不思議と、気まずいという気持ちも、
緊張するという気持ちも湧かず 
もう飛び上がる勢いで慌ててマキコさんに電話を掛け直した。 
きっと諦めた心の奥底で、臆病だった私は待っていたのだと思う 
一番最初に話し掛けてくれた時みたいに
またマキコさんが唐突に脈絡のない話をしてくれるのを 
自分からは何も言えないくせに、本当ヘタレで勝手な奴でした。 

1「マキコさんどうしたんですか?」

マキコ「ちょっと!今どこいんの?」

1「え、え、え、家です!」
マキコ「はあ?なんでよ?」
1「え、え、え?家じゃだめですか?!」

マキコ
「当たり前よ!今日あんた誕生日じゃん!
 もう、今から行くから家の前出ててよ!」

ちょっと意味が分からなかったが、
マキコさんが来るというのでそんな事考えてる余裕も無く 
居酒屋の制服のままでマンションのエレベーター降りて家の前出た。 
数分後、単車に乗ったマキコさんが、
でっかい紙袋を持って走りにくそうにやってきた 


1「マキコさん?どうしたんですか!?」

マキコ「どうもこうも、あんたはもー…!はいこれマキコと修三から」

1「ありがとうございます…マキコさん、あの、私、」

マキコ
「ていうかあんた!6月いっぱいで辞めるんでしょ?
(辞めるんでしょ?が優しかったww)涼子さんから聞いたよ」

1「は、はい、ゴメン、な」
マキコ
「あーもういいのよ辞めるのは別に気にしなくて!!
 なんでマキコじゃなくて涼子さんに先に言うのよ!!」

1「え、あ、え?」

マキコ「なんでよりによって涼子さん!なんで涼子さんあーもうムカつく!!」

1「さ!!サーセンwwww」


そっからは普通に少し話して、マキコさんは帰っていった。 

本当、今まで一月も口聞いて無かった事実なんて、
無かった事のように私達は前通りに話した。 

マキコさんから貰ったのは目茶苦茶可愛い、赤いランプだった。 

この辺には無い、とあるショップの物だったので、
当日用意した物でない事は分かった。 
私はまたもや寝るまでずっと号泣してたが、今度は嬉し涙だった。

143:  2011/11/04(金) 16:36:19.09 ID:LgOIUAUSO
仕事までのタイムリミットです!また来ます 
あともう1クライマックスで終わりなので、
今度こそもう少々お待ち下さい

144:  2011/11/04(金) 16:37:13.31 ID:LgOIUAUSO
>>141 
オールドファッションは神 
チョコファッションは小悪魔

145: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 16:57:37.64 ID:/DkOZP6v0
ポンデリングはライオン

146:  2011/11/04(金) 17:02:35.24 ID:LgOIUAUSO
>>145 
エンゼルクリームはソースウィートマイエンジェル 
てこんな事書いてる場合じゃなかった 
仕事行ってきます

147: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 17:12:37.32 ID:iJGWGtmX0
1仕事頑張ってな~ノシ

148: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 17:14:56.36 ID:H600dHam0
>>144 
>>145 
フイタwwwwww 

とりあえず>>1また出て来てくれてよかった。

149: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 17:22:29.99 ID:o8TSp4+40
あれっ?おかしい・・・ 
俺こういういかにも女っぽい葛藤ってめんどくさいとか思うし、
普段どちらかというと嫌いなのに 
なんだろう、なんか目から変な汁が・・・ 
切ねえ、だけど少しほんわかしてる自分がいる 
最後にマキコさんに正直な気持ちを伝えてから別れていて欲しいな

150: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 19:43:19.95 ID:u9JoMmg6P
自分の古傷をぐりぐりえぐられてる 
ちょっと泣きそうになった

151: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 20:36:23.30 ID:VLlYe6V20
マキコの名前を付けた者だが・・・ 
久し振りに来た 
今後の展開たのしみにしてる 

152: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 20:50:23.36 ID:yRdKZuOb0
いよいよクライマックス近いんかな 

153: 名も無き被検体774号+ 2011/11/04(金) 23:50:56.12 ID:dbs0Ibet0
修三の名付親も密かにROMってる。 
1、がんばれ~!