幼稚園も保育園も行ってない。
押入れの中にはおまるが置いてあってそこで排泄していた。
押入れの扉が開くとお盆に乗せたごはんが入れられる。
それだけを楽しみに長い長い一日を過ごしていた。
懐中電灯をひとつ持たされて、
楽しみはたまに差し入れされる絵本。
母が出掛けたな･･･と分かってこっそり外に出たこともあったけど
バレて叩かれ、蹴られ、それが怖くて出なくなった。

ある日突然複数の大人がやってきて私を見つけ、抱き上げて頭を撫でられた。
「もう大丈夫だよ」って言われた、あのおじさんの声を今も覚えてる。
そうやって初めて家の外に出て、
初めて車と言うものに乗って
自分はジッとしてるのに周りの景色が動いてるのを
不思議に思いながら見てたのも覚えてる。
施設での景色は自分が今まで見てきたものとは違い過ぎて
とにかく不安で怖くて、
泣きながら暗くて狭いところを探してたのも覚えてる。
でも施設の人たちが優しい目で見守ってくれて、
少しずつ普通の暮らしに慣れてきた。
友達もできた。友達と遊ぶことも覚えた。
おやつ、と言うものを初めて知った。
初めてのおやつはみかんが浮いた四角いゼリー。
美味しかった。
その施設から高校まで通い、
高校を卒業して就職し、会社の寮で暮らしたが
同じ施設で育った同じ境遇の現夫と結婚。結婚式は施設で挙げた。
子供を持つことは夫婦で何度も話し合ったけど、
親になる自信がなくて悩んで悩んで、施設の園長先生に相談して
「大丈夫だから。いつでも助けるから」って言ってくれて、
それでやっとひとり。
今、その娘が夫婦の一番の宝物。
あそこに引き取られなかったら私の人生はどうなってたんだろう。
もしかしたらこの世にいなかったかも知れない。

施設には一度も母が面会に来たことはなかった。
今はどこで何をしてるのか知らない。
死んだら何かしら何処かから連絡でもくるのかなと思うけど分からない。
父は死んでる。中学の時に父方の祖父母が会いに来たことがあった。
相続の手続きで知ったそうだ。
一緒に暮らすかどうかって話もあったけど私が拒否した。
記憶に無い人と知らない場所で暮らすなんて怖かったし
施設での暮らしに満足してたから。
ただ、この時に父が死んだことを知って少しショックだったことがある。

ここから先は信じてくれる人はいないだろうと思うけど、
押入れの中で暮らしていた頃、時々だけど懐中電灯が照らす中に
体育座りした大人の腰から下が見えていた。
全く言葉は発しなくて動くことも無く、
いつの間にか現れていつの間にか消えている。
怖さは全く感じなくて、
なんとなくその人がお父さんだと思っていた。
だからその頃には父は生きていたことを知って、
だったらあれは誰？何？って。
でもやっぱり怖いとは思わない。
あんな生活だったから言葉が遅くて、
まともな会話ができない子供だったけど
もし普通におしゃべりが出来る子だったら、
色々話してみたかったなとすら思う。

とりとめもなく長々と書いたけど、
要するに色々あったけど今は幸せです。

>>288
生きてて良かった
幸せな人生になって良かった
あなたの今後の人生が平凡で幸せな事が多くある事を願うわ
多分母親の死は行政からお知らせがあると思うので
相続拒否でいいと思う

>>288
本当に今が幸せで良かった
娘さんが可愛いという気持ちがあるなら大丈夫、虐待は連鎖しない
あなたはあなたの子育てができるよ
これからも幸せでありますように

>>288
今幸せで本当によかった！
ご主人もきっとあなたと同じように幸せだろうね

あなたはご両親とは違う人間だから、絶対大丈夫
かわいい娘さんとご夫婦三人で
これからもたくさん幸せになる事を願ってるよ！