まとめで読んで、涙が止まらなかった。
子供持つとこういう子供モノに涙腺緩くなるよなぁ。
特に2歳の男の子持ちなんで、ハル君がかぶってしまい…
113: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:08:12.10 ID:r40dd5f3O.net
休みなので書けるだけ書きます。
後前スレでもレスしたんだけど、
結果を踏まえて読んでもらえると助かる。
結果を踏まえて読んでもらえると助かる。
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115: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:09:53.02 ID:r40dd5f3O.net
前の続きから
生徒が帰った放課後。
ぞれぞろと保護者が集まりだした。
世間話などで賑わう中、ヒソヒソと何か言っては俺を見る父母さん達。
何が言いたいのかは十分に分かってる。
どうやら俺対他保護者って感じの構図なんだろう。
やましいことなど何一つないんだ。
後ろめたい気持ちなどない。
ハルにあの時の様子を聞いていた。
116: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:11:35.86 ID:r40dd5f3O.net
教頭「今回の件。
保護者の皆様には大変御心配、御迷惑をお掛けしましたこと深くお詫び申し上げます。」
教頭が謝罪し話しは始まった。
大ちゃんが階段から落ちたこと。
それを目撃した大ちゃんの友達AとB。
他数名の男子生徒も目撃。
118: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:16:58.34 ID:r40dd5f3O.net
>>115
俺「大君はどうして階段から落ちた?」
ハル「知らないよ…見てないの」
ハルは何もしてない。俺は父親なんだ。
ハルを信じるのも守れるのも俺だけなんだ。
俺は凛とした態度で話し合いに臨んだ。
>>116
ややこしくてすまん
120: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:19:30.45 ID:r40dd5f3O.net
A親「うちの息子が言ってました。
ハル君が急に暴れて大君を階段から突き落としたって。
大怪我をしたらどうするんです?」
B親「うちの子供も同じ事を言ってました。」
全員の視線が俺に向けられる。
121: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:21:02.80 ID:r40dd5f3O.net
俺「うちのハルは…そんな事してません…」
言いたいことは全部言ってやる。
そう思ってた。
でも異様な空気に怖じ気づく俺。
無縁の世界だと思ってた。生きてきてこんな場面に、
まさか自分が出くわすなんて思ってなかったんだろう。
足が震える。
122: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:22:23.17 ID:r40dd5f3O.net
大父「うちの息子は頭を打ってるんだぞ
もし大怪我して後遺症でも残ったらどうするつもりなんだよ。
どう責任とるつもりだ。」
大君の父親がまくし立てた。
大母「お宅の息子さん障害があるんですよね?
してないなんて。
よくもそんなこと…
そんな恐い子と同じ学校で同じクラスだなんて、
もう恐くて学校に通わせれないわ」
124: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:23:52.11 ID:r40dd5f3O.net
まわりがざわついた。
「子供の責任は親の責任だろ。きちんと説明して謝罪しろ」
「どうしてこんなことになる前に処置してないんですか」
「なんで養護学校に通わせないんだよ」
「支援級で十分でしょ」
「そうだ」
口々に保護者が非難する。
怒りや悔しさなんて気持ちは微塵もなくなってた。
心ない言葉にただ悲しい気持ちでいっぱいになった。
126: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:25:29.49 ID:r40dd5f3O.net
教頭「まあまあ皆さん落ち着いて下さい。
とりあえずまず松井さんにきちんと謝罪して頂いて、今後について話し合いませんか?」
怒りや哀れみの視線が俺に集まる。
沈黙が続く。
何か言わないと。
何か。
弱気になり真っ白になった、俺の頭の中にハルの笑顔が浮かぶ。
127: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:30:17.77 ID:r40dd5f3O.net
ハルを守らなきゃ。
ようやく口が開く。
俺「こうやって…
忙しいのに集まってもらって本当にすいません…
大君が怪我をしたことは、本当に心を痛めてます。
ただ…」
大父「ただなんだ?
言い訳するんですか?
うちの息子はまだお宅の息子さんにも謝ってもらってないんだ。
子供が子供なら親も親だな」
言いたいことが言葉にできない。
128: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:38:19.40 ID:r40dd5f3O.net
俺「息子が3歳の頃から…
ずっと自分一人で育ててきました…
俺が駄目男だから…
妻にも出ていかれました…
今日までずっと…
息子には寂しい想い…
辛い想いをさせてきました…
こんな未完成な親の俺だけど…
息子は立派に育ってくれてます…」
自分でも何を言ってるのか分からなかった。
分からなかったけど伝えなきゃいけないことを。。。
伝えなきゃ。。。
その一心だった。
129: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:40:16.69 ID:r40dd5f3O.net
俺「息子は発達障害です…
皆さんのお子さんのように健常児ではないです…
でも…それは悪いことなのでしょうか?…
息子は…相手の気持ちを理解することが…極めて困難です…
急にパニックになったり…悪戯してるつもりはなくても…
そう言う行動をとるときがあります…
そう言う行動をとるときがあります…
でも…本人に悪気なんて…これっぽっちもないんです…
ただ…不器用なだけで…
息子は…優しい子なんです…
人を傷つけるような子じゃないんです…こんなこと…する子じゃないんです…」
教室が静まり返る。
130: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:41:12.40 ID:r40dd5f3O.net
俺「親だから…自分は親だから…あの子の唯一の理解者です…
息子を信じてはだめなんでしょうか…」
途中ハルを想うと涙が出てきた。
俺「自分は…
母親の変わりも…
出来るはずがないのはわかってます…
母親がいない分…それ以上の愛情を与えてきたつもりです…
一生懸命子育てをしてきたつもりです…
それは皆さんのような親らしい親かは分かりません…
間違った子育てをしてきたかもしれません…」
131: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:43:27.85 ID:r40dd5f3O.net
俺「それでも…息子は正直で真っ直ぐに育ってくれてます…
嘘をついたりする子じゃないんです…
だから…
信じてやりたいんです…
皆さんは障害を持つ人間に…
多少なり嫌悪感…
があるのは…分かってます…
でも…皆さんの子供と同じように…
心があるんです…
優しさや…思いやりがあるんです…」
132: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:45:13.68 ID:r40dd5f3O.net
だからなんなんだって話しだけど。
何が伝えたかったのかよく分からないけど。
それでもそれを言葉にすることが精一杯だった。
大父「な、なんなんだあんた?
お、親なら謝るのが筋ってもんだろ。
あんたの息子が悪いだからな」
133: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:46:36.27 ID:r40dd5f3O.net
俺「自分が謝ってすむなら…
いくらでも謝ります…
だから…
息子を悪者にしないで下さい…」
最後に深く頭をさげた。
涙が止まらない。
悔しいとかそんなんじゃない。
学校でハルが、まわりの生徒に同じような言葉を
浴びせられてたらと思うと辛くて仕方なかった。
浴びせられてたらと思うと辛くて仕方なかった。
鼻を啜る音が聞こえる。
山下先生は目を真っ赤にし、ハンカチで涙を拭き取っていた。
134: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:49:04.00 ID:r40dd5f3O.net
「あのー、本当に松井さんの息子さんが突き落としたんでしょうか?」
全員の視線が声の方へと向いた。
みくちゃんて子のお母さんだ。
135: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:51:02.04 ID:r40dd5f3O.net
みく母「うちの娘はハル君は窓に指で絵を書いてたって…
すいません娘は大君が階段から落ちた所を見たわけじゃないんです」
それに続くように
「私の娘もハル君じゃないと思うと言ってました…」
教室内がざわつく。
136: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:52:09.78 ID:r40dd5f3O.net
教頭「あ、あの皆さん落ち着いて下さい。」
「おい、どう言うことだよ」
「ちゃんと確かめもしないで何やってんだ」
矛先が教師へと向く。
担任「私は生徒達にはちゃんと現場での話しを聞きました。
数名の男子生徒はちゃんと見たって…」
数名の男子生徒はちゃんと見たって…」
137: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 00:52:59.52 ID:3dnKmD69O.net
みくちゃんママGJ
頼むよ〜
138: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:53:17.13 ID:r40dd5f3O.net
自信のない言葉にまわりは余計ざわついた。
教頭「皆さん静粛にお願いします。
今日はここまでにして、後日説明をさせてもらうと言うことで」
「ふざけるな」
「わざわざ来て何なんだ」
「だいたい学校の責任じゃないですか?」
口々に不満が出る状況に陥った。
139: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:54:12.57 ID:r40dd5f3O.net
俺はそれをただただ傍観しているだけだった。
結局話はまとまらず、
また連絡すると言うことで終わった。
また連絡すると言うことで終わった。
少し肩が軽くなった。
ハルが突き落としたわけじゃないんだ。
誤解が解けただけでも良かった。
週明け午前中に学校に顔を出してほしいと、山下先生から連絡があった。
140: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 00:58:16.61 ID:r40dd5f3O.net
校長「松井さん、先日は本当に申し訳ありませんでした。」
山下先生に校長室へと通された。
俺「いえ…」
校長「他の保護者の方にはすでに連絡済みです。
今回我々が至らなかったばかりに大事になり本当に申し訳ありません。
大君は他の生徒とじゃれあって階段から落ちたそうです。
たまたま近くにいたハル君のせいにしてしまったと、
大君や大君の友達が正直に言ってくれました。」
大君や大君の友達が正直に言ってくれました。」
141: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:00:25.40 ID:r40dd5f3O.net
俺「そうですか…」
校長「今回の件生徒達にも担任、教頭を含め改めて指導をしていくつもりです。
本当に申し訳ありません。
またもう一度保護者会を開いて説明…」
俺は校長の会話を遮るように、
俺「あの…
あの、俺は別にもういいです。
犯人探しをしてたわけじゃないんで。
誤解が解けたならそれで十分です…
ただ、
ハルは…
ハルはその時、まわりの生徒や先生に責められて傷ついたと思います…
それを今更どうすることも出来ないですが…
ただ障害だからと、ハルがまわりと違うからと言って、区別しないでほしいんです。」
142: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:02:36.53 ID:r40dd5f3O.net
俺はハルを普通の小学校に通わせた。
それでも俺は間違っていたとは思ってない。
ハルは本当に努力をしてる。
まわりの生徒達に遅れをとらないようにするためにも。
ハルはただ普通に友達を作って
まわりと同じように小学生活をおくりたいだけなんだ。
まわりと同じように小学生活をおくりたいだけなんだ。
143: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:04:09.26 ID:r40dd5f3O.net
俺「保護者の皆さん全員が親なわけで…
自分の子供が可愛くて守りたいと想う気持ちはあたりまえなんです…
自分の子供が可愛くて守りたいと想う気持ちはあたりまえなんです…
だから今回のことはもういいんです。
ハルには自分から説明します。」
それだけ言って校長室を出た。
144: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:07:32.48 ID:r40dd5f3O.net
結局何もスッキリしなかった。
こんなことで何も解決しない。
保護者会での出来事。そして今日の校長との会話が全てを物語ってる。
責任のなすりつけ合いをする教師。
人をののしり罵倒する大人達が本当に子供の事を考えているのか。
人をののしり罵倒する大人達が本当に子供の事を考えているのか。
俺も含め、ちゃんと子供の声を聞けているのか。
疑問を抱く。
145: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:08:36.95 ID:r40dd5f3O.net
責め立てられたハルも。階段から落ちた大君も。
それを取り巻く生徒達もみんな。
誰一人として得をしないじゃないか。
犯人探しなんて必要ない。
子供達が安心できる環境を作るために、親達が話し合う方が先なんじゃないのか。
心の中でモヤッとしたものだけが残った。
146: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:09:48.18 ID:r40dd5f3O.net
俺自身本当にハルの気持ちを分かってるわけじゃないんだ。
ただ自分が親だと言うだけで、それに酔っているだけなのかもしれない。
俺がもし大君の親の立場だったら?
第三者の親の立場だったら?
それぞれの立場になってよく考えてみないといけない。
今回よく分かった。
もっともっとハルと会話しよ。
ハルが何を求めて、日頃何を考えているのか。
もっと理解する必要がある。
そう教えられたような気がするんだ。
147: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:14:30.32 ID:r40dd5f3O.net
その頃ハルがいじめに合っていることを、マイちゃんから教えられた。
ハルは女子から人気があった。
それをよく思わない子もいる。
ましてやハルは同級生との会話が得意じゃない。
一方通行になってしまい、うまく付き合えない。
一方通行になってしまい、うまく付き合えない。
ある日授業中にハルがお漏らしをしたのが切っ掛けでいじめに火種がついたようだ。
149: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:17:01.62 ID:r40dd5f3O.net
この間の大君との件もあり、薄々は気づいていたとはいえ。
そうあってほしくないと自分に言い聞かせてた部分があったのかもしれない。
そうあってほしくないと自分に言い聞かせてた部分があったのかもしれない。
ハルは毎朝元気に登校している。
もしかして俺に気づかせないように振る舞ってたのかもしれない。
そう思うとすごく辛い。
151: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:18:35.75 ID:r40dd5f3O.net
ハルが雨でもないのに、体操着を濡らしてきた日があった。
靴が片一方学校でなくなったり。
ハルはたまに物をなくしたりすることがあったので、深く聞かないようにしてた。
ちゃんとその信号にすぐ気づかなかった自分が本当にバカで情けない。
ハルが辛い想いをしてるんじゃないかと、夜も眠れず泣いたのを覚えてる。
152: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:20:02.98 ID:r40dd5f3O.net
本当にこんな時親って無力だよな。
学校に乗り込んで暴れたっていいんだけど、
そんなことすれば余計ハルの居場所がなくなる。
そんなことすれば余計ハルの居場所がなくなる。
いじめてる側を叱ればいいのか?
その親に抗議すればいいのか?
担任に文句をつければいいのか?
どれもハルにとってはマイナスにしかならない。
154: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:21:20.24 ID:r40dd5f3O.net
結局向き合って話せるのは自分の息子とだけなんだ。
俺「ハル学校で辛いことないか?」
ハル「うん。つらくないよ。
たのしいもん」
俺「学校でハルが辛い想いしてるの。
パパ知らなかったらすごく辛いよ。」
ハル「パパつらいの?
ごめんなさい」
俺「ハルが謝らなくていいんだよ。
ハルは学校でいじめられたりしてないか?」
155: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:23:34.56 ID:r40dd5f3O.net
ハル「パパ。
ぼくみんなすきだよ。」
俺「いじめる子も?」
ハル「うんw
みんなもぼくすきになるの。
ぼくがんばるの」
その言葉でハルが想像以上に大人になったことを痛感した。
俺が考えてた以上にハルは強くたくましく成長してるんだ。
ハルは自分の力でいろんなことが出来るようになった。
今もそうなんだろう。
156: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:24:58.24 ID:r40dd5f3O.net
こんな時、親はただ見ているだけなのかもしれないな。
唯一出来ることと言えば、
子供が望んだ時にいつでも手をさしのべてあげることだけなんだ。
子供が望んだ時にいつでも手をさしのべてあげることだけなんだ。
後は信じるだけ。
それは理想であって、難しいことかもしれないけど。
158: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:26:04.60 ID:r40dd5f3O.net
俺「ハルなら大丈夫。
みんな好きになってくれるよ」
ハル「ぼくがんばるのw」
俺「でも、辛い時は必ずパパに相談するんだぞ。
いつでもパパはハルの味方だからな。」
ハル「うんw」
俺がガキの頃果たしてこんな気持ちになれただろうか。
そんなわけない。
ハルが自分より大人な事に少し嫉妬してしまうくらいに、
ハルには本当に教えられることが多いんだと感じた。
160: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:28:49.15 ID:r40dd5f3O.net
ハルが3年生になってすぐ、
あっちゃんて言う親友が出来たんだけど。
話せば長くなるのでまたの機会に。
とりあえず少し休憩したらまた書きます。
レスくれてる人ありがとう。
スルーは許してくれ。
167: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:52:35.95 ID:r40dd5f3O.net
続き書きます
ハルが3年生になった。
本が好きで毎日本読みの練習をしてる。
ハル「パパ。きょうね。ぼくね。さか(笠)じぞうさんはじめて読んだよw
おじいさんはね。おじぞうさんゆき冷たいから、
さか(笠)かけるの…∽∝∂くぁwせdrftgyふじこlp…」
さか(笠)かけるの…∽∝∂くぁwせdrftgyふじこlp…」
168: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:53:57.73 ID:r40dd5f3O.net
俺「そっかw
かさじぞう?
ハルもおじいさんみたいに、親切で思いやりのある人間になるんだよ。」
会話中興奮すると、たまにわけのわからないことを言うけどそれもハルの個性だ。
169: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:55:10.25 ID:r40dd5f3O.net
俺「明日参観日だけどかさじぞうを授業でやるの?」
ハル「パパくる?」
俺「参観日?」
ハル「お仕事おやすみしなくていーよ」
俺「大丈夫だよw
パパ、ハルが頑張ってる姿みたいし」
ハル「いーの!!」
拗ねて嫌がるハル。
俺「わかったよw
じゃぁいかないよ」
170: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:56:10.09 ID:r40dd5f3O.net
晩ご飯中。
車のおもちゃで遊ぶハル。
俺「ハル?ご飯中は遊ばない約束だろ?」
ハル「いーの」
ご飯に集中してない。
こう言う時のハルは何か不安がある時だ。
俺「明日パパ本当に参観日行かないよ。
本当にいいのか?」
ハル「いーの」
ハルなりに俺に気を使ってるんだなと、その時は気楽に考えてた。
171: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:57:14.45 ID:r40dd5f3O.net
それでも親バカな俺は、コッソリ参観日に行く。
当日。
ハルにバレないよう、教室に入らず入り口の外でスタンバイ。
授業が始まるとハルはソワソワしていた。
まわりをキョロキョロ、俺がいないか確認してるんだろう。
172: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:58:14.62 ID:r40dd5f3O.net
担任「それではここのページ誰か読んでくれますか?」
生徒「はーい。はーい。」
親にいい所を見せるチャンス。
生徒達が張り切って手を上げる。
ハルは?
手を上げていない。
きっと恥ずかしいんだろう。
担任「それじゃみんな読めるように、段落ごとに順番に読んでいきましょう」
174: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 01:59:12.75 ID:r40dd5f3O.net
次々に朗読をする生徒達。
いよいよハルの番だ。
あれだけ毎日本読みの練習をしてるんだ。
大丈夫。頑張れ。
心の中で一生懸命応援をする親バカな俺。
175: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 01:59:59.22 ID:qFdqfU8l0.net
嫌な予感しかしない
177: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:01:03.64 ID:r40dd5f3O.net
担任「次は松井君。」
ハル「は、ハイー」 緊張して語尾が上がってる。
ハル「みみ、み、みんみん…」
教室内でクスクスと笑い声がする。
ハルならできる頑張れ。
ハル「みんなでかげおくりをもういちどやらないかい…」
担任「松井君よく出来ました。
次松村さん」
ハルは顔と耳を真っ赤にしながら、ゆっくり座るとうつむいた。
178: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:01:58.97 ID:r40dd5f3O.net
上手に出来たよ。
みんなに見られて緊張したのにな。
帰ってうんと褒めてあげたいけど、今日来てるのは内緒にしてるんだ。
なんだか悔しい。
どうやらかさじぞうではなかったけど、ハルは一生懸命に読んだ。
ちゃんと出来た。
誇らしい気持ちになった。
179: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:03:13.12 ID:r40dd5f3O.net
授業も終盤。
ハル「うえーーーん」
急にハルが大声で泣き出した。
俺と目が合ってしまった瞬間の出来事。
しまった。俺がいることに気づいてしまったようだ。
担任が近づく。
授業はまだ終わってなかったけど、
教室の後ろで待機していた山下先生がハルを連れて教室を出た。
180: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:04:49.20 ID:r40dd5f3O.net
授業が終わり支援級で待機してるハルを迎えに行った。
俺「ハルー。
帰ろう。」
ハル「…」
無言で喋らないハル。
俺「すいません。御迷惑おかけして」
山下先生「いいえ。ハル君いつもなら大丈夫なのに。
人が多くて混乱したのかもしれませんね」
181: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:05:57.33 ID:r40dd5f3O.net
俺「いや、
今日は自分が参観日に来ない約束をしてたんです。
その約束を破ってしまったから泣いたんだと思います。
本当にすいません」
山下先生「いえいえ。
ハル君!お父さん迎えに来たから帰ろうね」
ハルは黙って立ち上がり、俺をスルーして教室を出た。
俺はハルを追う。
相当怒ってる。
無理もないか。
182: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:13:14.99 ID:r40dd5f3O.net
俺「ハル。
ごめんな。パパ約束破って」
ハル「…」
沈黙が続く。
俺はハルの手を繋ぎ、
俺「今日はレストラン行こうか?
ハルの好きなハンバーグ食べよw」
ハル「はい」
少し機嫌をなおす。
184: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:15:11.77 ID:r40dd5f3O.net
俺「今日は本読みうまくできてたな。
パパ本当ハルはすごいなーって驚いたよ。びっくりしたw」
ハルが急に立ち止まる
ハル「パパのうそつき。
こないやきそく(約束)したんでしょ」
また泣きだすハル。
俺「ごめんな。本当。
パパどうしてもハルの頑張ってる姿見たかったんだ。
もう来てほしくないってハルが思うなら、もう絶対に行かない。」
185: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:18:08.30 ID:r40dd5f3O.net
ハル「もういいの…エグッ」
俺はハルの頭を撫でた。
ハル「パパ…
パパぼくひとりにしないで…エグッ
ぼくパパいなくなってほしくない…エグッ」
俺「ばか。
何言ってんだよ。
パパはハルから離れたりしないよ。」
ハルの一言でこっちまで泣きそうになる。
俺は涙をこらえた。
186: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:21:24.06 ID:r40dd5f3O.net
ハル「だって…エグッ
だって…エグッ
ちいちゃんはパパいなくなるの…エグッ
ママいなくなるの…エグッ
パパ…
ぼくおりこうにするよ…エグッ
だからね…おいていかないで…エグッ」
187: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:22:43.36 ID:r40dd5f3O.net
ようやく理解した。
知ってる人は知ってると思うけど、『ちいちゃんのかげおくり』って話しがある。
戦争時代の話なんだけど、俺もうろ覚えだから知りたい人は本を読んでほしい。
ハルはちいちゃんのかげおくりを読んで、
ちいちゃんのお父さんのように俺もいなくなってしまうんじゃないかと思ったんだ。
ちいちゃんと自分を重ね合わせたんだろう。
参観日に来て、どうしてもこの話しを俺に聞かせたくなかったんだ。
189: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:24:29.94 ID:r40dd5f3O.net
胸に深く突き刺さるものを感じた。
苦しくなる程ハルを愛おしく想った。
自然と涙が零れる。
そしてハルがこんなに不安になるのは、俺が悪いんだとすごく理解した瞬間だった。
俺はハルを抱きしめて。
俺「パパはずっとハルと一緒だよ。
だから心配しないでいいからな。」
不安になるのは無理もない。
ハルは俺のせいで母親を失ったんだから。
190: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:25:35.69 ID:r40dd5f3O.net
ハル「やきそく(約束)?…エグッ」
俺「約束。
ゆびきりげんまん…」
俺はハルとゆびきりをした。
レストランに入りご飯を食べる頃にはハルに笑顔が戻っていたけど、
俺は複雑な気持ちだった。
192: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:28:38.55 ID:r40dd5f3O.net
ハルの不安な気持ちを、どうしても和らげてやりたい。
そう思った。
きっとハルはサリナが自分を捨てたと思ってるんだ。
ずっと母親の事を聞いてこなかったのがその証拠。
幼いながら確信したものがあったのかもしれない。
まわりの友達には、ちゃんと母親がいるんだ。
気付かないわけがない。
ハルに我慢させていることが、本当に申し訳なく感じた。
193: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:30:45.96 ID:r40dd5f3O.net
俺「ハル?
ママに会いたいか?」
ハル「ママ…?」
少し間があいた。
ハル「ううん。
パパがいるからいい」
首をふるハル。
俺「ハルが会いたいって言ったら、
ママはきっと喜ぶよ。
ママもハルとずっと会いたいって思ってたから」
194: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:32:04.54 ID:r40dd5f3O.net
ハル「…」
俺「どうした?」
ハル「パパがいるからいいの」
頑固なハル。
そこは俺に似たのかな。
帰って眠りにつくハル。
ハルの寝顔は益々サリナに似てきた。
195: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:33:11.30 ID:r40dd5f3O.net
サリナと最後に会って半年が経ち、サリナから手紙がきた。
それから今日までずっと手紙でやりとりしてる。
サリナはハルをいつだって心配していた。
自分から会いたいとは言いづらいのだろう。だから言ってこなかった。
俺からハルに会いたいか?とも聞かなかったけど、それは分かっていることだ。
俺自身ハルを会わすことに抵抗があったのかもしれない。
196: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:34:17.32 ID:r40dd5f3O.net
でももう十分だろう。
言わなくても、サリナもハルもお互いに会いたいに決まってるんだ。
それにサリナがハルを嫌いで置いていったわけじゃない事を知ってほしかった。
俺はサリナにハルを会わそうと考えた。
そしてハルを連れて、サリナに会いに行くことにしたんだ。
197: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:38:28.72 ID:r40dd5f3O.net
ハルはお気に入りの電車のおもちゃ。そしとトトロのぬいぐるみを抱きかかえている。
電車に乗って満足気に水筒のお茶をグビッと飲み干した。
前日の夜にママに会いに行くと伝えた。
ハルは何も言わなかったけどとても嬉しそうだ。
198: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:40:54.11 ID:r40dd5f3O.net
ハル「とおいの?
すぐつくの?」
俺「もう後2つ駅に止まったら着くよ」
ソワソワするハル。
何しろ4年ぶりに会うんだ。不安や緊張もある。
サリナには前もって手紙を送っていた。
番号は聞いていたけど、かける事もなかったのでもう使われていなかった。
今日行く旨を伝えたけど、
手紙を確認していないのかどうやらマンションにはいないようだ。
手紙を確認していないのかどうやらマンションにはいないようだ。
サリナの都合もあるだろうから、会えなければ帰ればいいだろうと考えていた。
200: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:42:36.38 ID:r40dd5f3O.net
ハル「ママいないの?
だったらおうちにかえろー」
俺「いてないみたいだね。
せっかくだから隣の公園で待たせてもらおうよ?な?」
ハル「はい」
ハルはジャングルジムで楽しそうに遊んでる。
きっと複雑な気持ちなんだろう。
その気持ちを隠すかのように、いつもより元気に見せるハル。
その気持ちを隠すかのように、いつもより元気に見せるハル。
201: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:44:52.99 ID:r40dd5f3O.net
日も暮れてきた。
どうやら今日は会えそうにない。
手紙じゃ仕方ない。
近くのホテルに予約したからまた明日出直そう。
そう思い公園を出たところで、公園の横に一台のワゴン車が停まった。
202: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:46:40.09 ID:r40dd5f3O.net
サリナだ。
助手席に座っていた。
運転席の男性と親しげに会話をしている。
話し終わり、ようやく助手席から降りてくると、こちらに向かって歩いてきた。
203: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:49:08.01 ID:r40dd5f3O.net
サリナ「えっ?
俺くん?…ハル?」
驚いた顔でこちらを見ている。
俺「手紙送ってたんだけど、
もしかして見てないか?
今日行くって。」
サリナ「ごめんなさい。
ずっと忙しくて。」
俺「ごめんないきなり。
手紙で言うのもあれだとは思ったんだけど、
早く会わせたくて。
ハル連れてきた。」
サリナ「うん…」
サリナが瞳を潤ませる。
204: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:51:54.31 ID:r40dd5f3O.net
俺「ハル?
ママだぞ」
ハルは俺の後ろに隠れている。
サリナ「ハル。
久しぶりだね。
ママ!…分かる?…」
ハルは黙って頷く。
サリナがハルの目線までしゃがむと、ハルにニッコリ微笑みかけた。
205: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:53:29.37 ID:r40dd5f3O.net
サリナ「ハル!ママに抱っこさせてくれる?…」
そう言ってハルの手を引っ張り抱きかかえた。
ハルは緊張してか顔を強ばらせてる。
ハル「ママいいニオイ」
サリナ「本当?
汗臭くない?
ハル会いたかったよ…」
泣き出すサリナ。
きっとハルがママって言ってくれて嬉しかったんだ。
ずっと会いたかったに違いない。
206: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:55:00.02 ID:r40dd5f3O.net
ハルもサリナの肩に顔をうずめている。
どうやら緊張も解けたようだ。
お互いずっとこうしたかったんだ。
俺「今日は大丈夫?」
サリナ「うん大丈夫。
せまいけど良かったら泊まっていって。」
俺「俺はホテル予約してるしそこ泊まるよ。
明日夕方迎えに行くから、ハルは預けてもいいかな?」
207: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 02:55:10.77 ID:9uSI65fW0.net
男の影‥
208: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:55:56.48 ID:r40dd5f3O.net
サリナ「いいの?
本当に?」
俺「ハル。
ママと二人で大丈夫だよな?」
ハル「はい」
ハルが笑顔で答える。
俺「母子水入らず。積もり積もった話もあるだろうし」
そう言って番号だけ交換し、ハルをサリナに預けて俺はその場を立ち去った。
209: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 02:58:49.91 ID:r40dd5f3O.net
翌日サリナが、どうしてもハルと
動物園に行きたいと言ったのでハルがいいならと承諾した。
動物園に行きたいと言ったのでハルがいいならと承諾した。
久しぶりなんだし断る理由もない。
もう一泊してサリナがハルを俺の家まで連れて来ることになったので、
俺は一足先に一人で帰宅することになった。
俺は一足先に一人で帰宅することになった。
210: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 03:01:01.43 ID:r40dd5f3O.net
今日はここまでにします。
次書く時に最後まで書きます。
こんな時間まで付き合ってくれてる方、どうもありがとう。
勝手に止めてまた勝手に続き書いてるけど、その辺はスルーしてください。
212: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 03:02:07.95 ID:kndRjBeG0.net
お疲れ様でした!
213: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 03:02:44.22 ID:3dnKmD69O.net
>>210
乙です
楽しみに待ってます
カスって言ってごめんなさい
214: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 03:02:44.30 ID:4mX8qHFQ0.net
>>210
ありがとう
また明日?でいいのかな?
まってるよん
215: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 03:05:23.28 ID:vb5YBBxqO.net
オープンスレで書いてるのも1さん?
216: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 03:05:56.48 ID:3dnKmD69O.net
>>215
kwsk
217: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 03:09:37.77 ID:9uSI65fW0.net
明日も頼むな
楽しみにしてるぞ!
218: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/14(木) 03:10:24.58 ID:r40dd5f3O.net
明日書けるか分からないけど近々書きます。
別スレは知らない。
昨日まで殆ど2ちゃんは覗いてないから。
229: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 08:04:09.28 ID:bbGmKAAbi.net
先が判ってると複雑な気分だな
前に書いたのはウッソだよー
とか言ってくんないかな
230: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 08:33:18.72 ID:C3hYqdK70.net
ちいちゃんの話で泣いてしまったよ
大切な人とずっと一緒なんて
ホントは無理なんだって思った。
だから最後までそばにいてやりたいなと。
チラ裏みたいですまないが、
家族を大切にしようと思わせてくれるクズ(こう呼びたくはないが)に感謝。
家族を大切にしようと思わせてくれるクズ(こう呼びたくはないが)に感謝。
231: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 08:53:43.22 ID:z/NrBmkH0.net
続きはあると思っていたから今の所は想定の範囲内
これからの持って行き方だけ見てる
他のスレとかは気にしないでいいだろうね
次の投下まで適度に保守
234: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 15:43:58.28 ID:IdARgo6iI.net
次で最後かー、、
複雑だな
235: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 15:48:43.72 ID:9KsuM52i0.net
ほんとに泣いてしまった…
次で全部なのかー…
終わらせて欲しくないけど早く読みたい!
237: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 15:55:46.48 ID:9KsuM52i0.net
そしてちいちゃんのかげおくりよんだよ!
ハルちゃんは自分と重ねちゃったんだね…
とっても素直で優しい子だね。
ハルちゃんのためにも1さん元奥さんみんなのために
乗り越えて「一緒に暮らそう」って言って欲しかった…
っていうのはやっぱり勝手な話だよね…過去の話だし…
238: 名も無き被検体774号+ 2014/08/14(木) 16:01:21.81 ID:UKq9QRgY0.net
久しぶりに覗いたら再開してた
最後楽しみにしています結末はあれだけど
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405: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/18(月) 08:46:20.98 ID:sAKQpU7yO.net
すまん
休み中これなかった。
最後まで書いてるんだけど、
レスするのに時間かかるので週末に全部投下します。
レスするのに時間かかるので週末に全部投下します。
平日は仕事でこれそうもないので許してください
506: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/23(土) 12:53:27.92 ID:j/PcMAmwO.net
今日夜書きます。
遅くなって申し訳ない
507: 名も無き被検体774号+ 2014/08/23(土) 13:07:53.63 ID:RdlAS7Na0.net
おっ
お待ちしとります。
516: 名も無き被検体774号+ 2014/08/23(土) 18:31:36.93 ID:QNm6oFfm0.net
クズきたか
楽しみにしてるぞー
526: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 00:26:10.45 ID:ktYFwS2/O.net
すまん。
用事してました。
続き書いていきますが、
長いのでもし限界が来たら申し訳ないが明日になるかもしれない
長いのでもし限界が来たら申し訳ないが明日になるかもしれない
後淡々と書いていくので誤字なんかもあると思う。
まとめるの下手だから長いしわけわからないとこもあるだろうから、
そこはスルーでお願いします
そこはスルーでお願いします
529: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 00:29:11.21 ID:ktYFwS2/O.net
続き
ハル「パパーただいまーぁ」
2日前まで顔を強ばらせていたハルだったのに。
今は晴れた表情をして生き生きしてる。
俺「楽しかったか?w」
ハル「うんw
ママね。ゾウさんのぬいぐるみ買ってくれたのw」
本当に嬉しそうだ。
会わせて良かった。
2日ぶりのハルの笑顔を見てホッとする俺。
531: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 00:31:15.95 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「俺くんありがとう。
ハルすごい成長したねw
本当にびっくりしたw」
ハル「パパー。
ママがおなべしてくれるの。
いいでしょー?w」
サリナ「俺くんが嫌じゃなかったらねw」
俺「いいよ。
今日仕事大丈夫だったの?」
サリナ「うん」
3人でスーパーまで買い出しにいき、
サリナが鍋の支度をした。
俺はその間ハルと話しをしていた。
2日間のことを嬉しそうに話すハル。
532: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 00:32:44.48 ID:ktYFwS2/O.net
それが少し切なく感じた。
すぐにサリナとお別れしなきゃならないんだ。
鍋を食べ終わると、サリナがハルを寝かせてくれた。
サリナ「ハル寝たw
本当可愛いね。」
俺「うん。」
俺はサリナにお茶を入れた。
サリナ「ありがとう。
俺くん。
急に来てびっくりしたけど、本当にありがとうね」
533: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 00:34:08.18 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ごめんな。
いきなり訪ねたりなんかして。
車の彼は彼氏?」
一度は籍を入れ愛し合った仲なんだ。
気にならないって言うと嘘になる。
サリナ「えっ…うん。そう。
わたしより3つ上なんだけど、すごく誠実で優しい人よ。」
俺「そっか…」
何落ち込んでんだ俺は。
自分でサリナを手放したんだろ。
それに普通に美人だし、男がいてもおかしくない。
534: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 00:36:20.09 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「俺くんは?
俺くんモテるし良い人見つけてるんでしょ?」
俺「そんななわけないよ。
俺は本当に女っ気ないからw
ただのおっさんだしw
それにハルがいるからハル一筋かなw」
サリナ「うんw
あっ、わたしそろそろ帰るね!」
サリナが時計を見た。
俺「あーそうだな。
あのさ、
たまにはハルに会ってやってくれないかな?」
サリナ「いいの?」
俺「ハルも喜ぶし。
それにやっぱり俺じゃ母親変わりはできないから」
535: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 00:41:33.14 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「ありがとうw
俺くん本当に変わったね。
すごく頼もしくなったね。
ハルもずっとパパの自慢してたよw」
そう言ってサリナは帰っていった。
サリナに彼氏がいる。
少し複雑だけど、サリナは新しい人生を歩み、幸せを取り戻そうとしてるんだ。
祝ってあげなきゃな。
そう思った。
536: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 00:43:02.67 ID:ktYFwS2/O.net
サリナと離婚したとは言え、お互いいがみ合ったり憎み合ってるわけじゃない。
それならサリナがハルに会いたい時。
ハルがサリナに会いたい時に会えばいいんだ。
それが今ハルにしてあげられる、最善の方法だと考えた。
それからハルは、月に1、2度サリナに会うようになった。
540: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:01:12.50 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ハル!
お前なんてことするんだ!」
公園で俺の怒鳴り声が響く。
ゆき「うえーーんっ」
ハルの友達のあつし君の妹が泣き出した。
砂場でいきなりハルがゆきちゃん(あつし妹)を突き飛ばしたんだ。
541: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:03:27.00 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ハル。何で今ゆきちゃんを突き飛ばした?
駄目だろ。
そんなことしちゃ。」
ハルとゆきちゃんのいる砂場に駆け寄った。
ハルは怒った顔で、座り込むゆきちゃんを睨みつけた。
542: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:04:29.27 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ハル?
聞いてるのか?
何でゆきちゃんを押したりしたんだ?」
ハル「ぼくわるくないの」
俺「わるくないじゃ分からないだろ。
ゆきちゃんに謝りなさい。
どんな理由があっても人に痛いことしちゃだめだって、あれほど言ってるだろ?」
544: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:07:43.68 ID:ktYFwS2/O.net
ハル「ぼくわるくないの!
わるくないの!」
ハルは目に大粒の涙を浮かべた。
俺「ハルごめんなさいは?
ちゃんとゆきちゃんに謝れ!」
俺はハルを強く叱りつけた。
545: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:08:41.24 ID:ktYFwS2/O.net
ハル「ギッギギギィー。
うわぁぁぁぁーん」
大声で泣き叫ぶハル。
砂場の滑り台から滑り降りてきたあつし君が、ゆきちゃんに歩み寄って立たせた。
あつし「ゆき泣くな。
痛くないだろ?」
ゆき「シクシク…
シクシク…」
俺「ゆきちゃんごめんな。
怪我しなかった?」
俺はゆきちゃんのスカートについた砂を払い、ハンカチを渡す。
547: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:14:36.00 ID:ktYFwS2/O.net
ハル「うあーーー。ゆきちゃんのバカーーー」
ハルが泣きながら足をジタバタさせる。
俺「いい加減にしろ」
俺はハルの頬を平手で打った。
バシッと強い音がした。
ハル「パ、パパなんて大嫌い。
パパなんてもうしらない、、、くぁwせdrftgyふじこlp」
驚いた表情から一変。怒りの表情で目を真っ赤にし俺を見るハル。
548: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:16:22.51 ID:ktYFwS2/O.net
そしてハルは走って公園から姿を消した。
あつし「おじちゃん。
ハル悪くないよ。
ゆきがハルのおもちゃ壊した。」
ゆき「ごめんなしゃい…」
ゆきちゃんの足下には、スコップで凹んだバスのおもちゃが無惨な姿で転がっていた。
549: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:17:22.21 ID:ktYFwS2/O.net
俺「いいんだよ。
ゆきちゃんもあっちゃんも本当にごめんな。
ハルとまた遊んであげてな。」
そう言ってバスのおもちゃを拾って、ハルを追い掛けた。
550: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:18:29.22 ID:ktYFwS2/O.net
何をやってるんだ俺は。
最低だ。
あれだけ痛いことするなって、ハルに教えてきた俺が手を挙げるなんて。
家に帰ると、ハルは勉強机に座りふさぎ込んでた。
俺「ハル。
痛かったか?
パパ叩いたりしてごめんな」
ハルの背中越しに語り掛ける俺。
ハルはシクシク背中を揺らす。
551: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:21:55.18 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ハルのおもちゃ壊されて怒ったんだよな?
でもな。
自分がされたら痛いって思うことをしちゃいけないよ。
もし間違ってしちゃったらきちんと謝らないとだめだ。」
ハル「シクシク」
552: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:23:22.49 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ハル。
パパもハルのこと叩いたのごめんな。
パパも痛いことしちゃったのすごく反省してる。」
ハルのは俺の顔を見ようとしない。
俺「おもちゃはまた買ってあげるよ。
だから…」
ハル「あれじゃなきゃだめなの!」
俺の言葉を掻き消すようにハルが叫んだ。
553: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:25:12.34 ID:ktYFwS2/O.net
ハル「ぼくの宝物なの。
パパのバカ。
パパなんてきらい」
俺「おもちゃは新しいの買えばいいよ。
ハルはちゃんとゆきちゃんにしたこと反省しなさい」
俺の口調も強くなる。
ハル「ママ…
ママならおこらないもん。
ママならわかってくれるもん」
554: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:26:26.77 ID:ktYFwS2/O.net
俺「分かったよ。
勝手にしろ。
もうパパ知らないからな。
そんなにママがいいならママのとこいけ。」
俺もカッとなりハルをほっておくことにした。
555: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:28:36.88 ID:ktYFwS2/O.net
夜、晩御飯が出来部屋を覗いたら泣き疲れてかハルは眠っていた。
少し言い過ぎたかなと思いながら、
椅子から降ろし静かに布団に寝かせる。
俺「はー」
大きなため息が出る。
お茶を飲みながらボーっとしていた。
最近イライラする。
サリナと会うようになってから、ハルはいつも以上に甘えるようになった。
556: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:33:34.85 ID:ktYFwS2/O.net
サリナとの時間がハルにとっては大きな変化だったのかもしれない。
環境の変化と共に少しずつハルが変わりつつある。
そしてハルの心境の変化に、俺自身戸惑うようになりイライラしてるのかな。
嫉妬なんだろうか?
サリナにハルをとられたような感覚だ。
557: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:35:22.96 ID:ktYFwS2/O.net
「パパなんてダイキライ」
父親としてこれほどグサリと突き刺さる言葉は他にない。
そう言えば、ハルに初めて手をだした。
言葉で理解してもらえないからと言って手を出すなんて。。。
最低の親だ。
ハルも少しずつ大人に近づいていってるんだ。
理解してもらえないこともある。
譲れない気持ちもあるんだ。
それを理解せずに力で訴えかけるなんてな。
そんなことではハルの気持ちが離れていくだけじゃないのか。
何も変わってない。
俺はあの時のまま。若い頃の自分と何も変わっていない。
558: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:36:18.32 ID:ktYFwS2/O.net
ハルを叩いた手、まだジンジンしてるような気がするんだ。
それは心に何か訴えかけるような感覚だった。
急に胸が苦しくなる。
ハルを叩いてこんなに辛いなんて。
きっと叩かれたハルはもっと傷ついたに違いない。
あれほど理解してもらえるまで言葉で伝えよって決めてきたじゃないか。
ハルが起きたらもう一度謝ろう。
ちゃんと話し合わないと。
そう思った。
559: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:37:30.98 ID:ktYFwS2/O.net
朝の日差しが差し込み、俺は目を覚ました。
いつの間にか寝てしまったようだ。
テーブルには手をつけていない晩御飯が、昨日のまま置いてあった。
きっとハルお腹を空かせてるだろうな。
そう思いハルの部屋へと行った。
俺「ハル?お腹…」
560: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:39:03.76 ID:ktYFwS2/O.net
部屋にハルの姿がない。
玄関を見に行くとハルの靴がない。
ランドセルはあるので学校へは行っていない。
どこへいったんだ?
まさか。。。
まず間違いない。
サリナのところに行ったんだ。
俺はサリナに電話した。
サリナ「こんな朝早くにどうしたの?」
俺「ハルがいなくなった。
昨日喧嘩したんだ。」
561: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:40:56.71 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「えっ?
どこにいったか分からないの?
わたしも急いで準備して探すね」
俺「いや。サリナは家にいてくれ。
もしかしたらお前に会いに行ったのかもしれない。
俺は思い当たるとこ探すから」
サリナ「分かった。警察には一応連絡するね。
補導されてるかもしれないし。」
俺「分かった」
急いで支度して、会社と学校に連絡を入れハルを探しに出た。
562: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:43:45.58 ID:ktYFwS2/O.net
夕方になってもハルはまだ見つからない。
サリナからは何も連絡がない。
もしかして…
最悪の状況が頭によぎる。
途方に暮れる俺にサリナから着信が入った。
564: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:45:27.66 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「ハル見つかったよ。」
やっぱりハルはサリナに会いに行ったらしい。
電車で向かったのはいいが、サリナの住む方とは逆の路線に乗ってしまったんだ。
迷子になって一人寂しかったろう。
結局駅員が保護し警察がサリナに連絡をした。
少し安心する俺。
565: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:46:24.31 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ありがとう。
迷惑かけたね。
じゃ俺迎えに行くから、
今ハルどこにいるか教えてくれる?」
サリナ「いいの。
わたしに連絡あったから。
きっとハルも俺くんに会いにくいと思うの。
わたしにまかせてくれないかな?」
566: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:48:52.53 ID:ktYFwS2/O.net
俺「分かった…
悪い…」
仕方がないとことだ。
今実際にハルと会って何て言えばいいのか分からない。
サリナ「またハルと会ったら俺くんに連絡するから。
安心してね。」
俺「あー…
すまん…」
俺が迎えに行きたかった。
でもハルはサリナに会いに行ったんだ。
連絡を待つしかない。
俺は意気消沈し、重い足取りで家路についた。
567: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:57:28.88 ID:ktYFwS2/O.net
ようやくサリナから連絡がきた。
サリナ「俺くん?
ハルは無事迎えにいけたから。」
俺「ハルは…
ハルは…怪我とかしてなかった?」
サリナ「うん。
すごく泣いたみたいだけど、今は大丈夫。
今日はハル、わたしが連れて帰るね」
俺「え…
あー…
ハルと少し話せないかな?」
568: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:59:52.15 ID:ktYFwS2/O.net
電話越しにサリナがハルに問いかけている。
サリナ「ごめん。
今日はハルも色々混乱したみたい。
また少し落ち着いてから連絡するね。」
俺「そっか…
分かった…」
一言元気な声を聞きたかった。
一言ハルに謝りたかった。
この時、
俺の中でどうしようもない不安を掻き立てられていたのを覚えている。
569: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:02:10.20 ID:ktYFwS2/O.net
3日してサリナから連絡は来ない。
俺からサリナに連絡するも、
サリナ「ハルは今はまだ俺君に会いたくないって。」
俺「一言でいいんだ。
ハルと話したい」
サリナ「俺君?
ハルがどうして怒ったのか知ってる?」
そんなこと。。。
俺がハルのことブったからだ。
そう思ってた。
570: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:03:07.12 ID:ktYFwS2/O.net
俺「初めてハルに手を挙げたんだ。
きっとショックだったんだよな…」
サリナ「それもあるかもだけど。
ハルのおもちゃ。
ハルが何よりも一番大事にしてたモノなんだって。」
その言葉でハッとした。
バスのおもちゃ。
俺が初めてハルに買ってあげたおもちゃだ。
571: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:04:14.43 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ずっと昔に買ったモノだぞ。
そんなこと覚えてるものなのか…」
サリナ「多分…覚えてるんだよ。
だってそれが大切なものだってずっと思ってきたんだよ。」
そう言えばいつも大事にしてた。
新しいおもちゃを買ってもそれだけはいつもハルのそばにあった。
色褪せて傷だらけなのに。
ハルは大事にしてくれてたんだ。
572: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:05:24.24 ID:ktYFwS2/O.net
俺は自分の不甲斐なさを知る。
今は普通に働き普通に生活を送れてる。
好きなものだって買えるんだ。
俺はあの日、家を失いハルと2人人生のどん底にいた。
当たり前の環境もその頃は当たり前じゃなかった。
その頃の気持ちを、小さなことがどれだけ幸せで大切なのか忘れてしまっていた。
573: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:07:05.57 ID:ktYFwS2/O.net
ハルにとっても俺にとっても、
このバスのおもちゃは一つの思い出で、何より大切な宝物なんだ。
このバスのおもちゃは一つの思い出で、何より大切な宝物なんだ。
それを俺は簡単に買えばいいだなんて。。。
ハルの気持ちを踏みにじったのかもしれない。
言葉にならない気持ちが込み上げ、ただ胸が苦しくなった。
574: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:08:30.14 ID:ktYFwS2/O.net
それからすぐ、サリナから会いたいと言われファミレスで会うことになった。
俺自信もサリナに会って話したいと思ってた。
ハルにとって何が大切かを考えた。
俺とサリナ、両方がそばにいることがいいに決まってる。
「もう一度やり直そう」
今すぐじゃなくても。
少しずつでいいんだ。三人で暮らそう。
そうサリナに言おうと決めていた。
578: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:42:46.36 ID:ktYFwS2/O.net
俺「ハルは?」
サリナ「今日はママに預けてる。
学校にはちゃんと連絡してあるから。」
俺「ごめんな。
色々迷惑かけて。
ハルはどうしてる?」
サリナ「元気にしてる。
俺君の話ししたら拗ねるの。
でも本当は会いたいんだと思うよ。」
俺「そっか。」
ぎこちない会話。
言わなきゃ駄目だ。
ちゃんと言わなきゃ。
579: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:45:49.69 ID:ktYFwS2/O.net
俺「あのさ…
ちょっと話しが…」
サリナ「あのね…
相談があるの。
あっ?」
サリナの表情を伺う。
喜べる相談ではないのは明らかだ。
俺「サリナからどうぞ」
580: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:47:14.83 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「うん…
わたしね。
結婚しようかと思うの…」
俺「こ、この、この間の車の彼?」
馬鹿。
動揺する俺。
サリナ「うん…そう。
この間プロポーズされたの…」
俺「……」
そりゃ彼氏がいたんだ。俺が期待する展開になるわけがない。
582: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:48:15.10 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「俺君?」
心配そうに俺を見た。
俺「あっ、あっそーだよなw
彼氏とはうまくいってるんだw
良かったw本当w
サリナがいい人って言ってんだし、間違いないよwうんw」
馬鹿みたいに明るくして祝福までしてる俺。
情けない。。。
サリナ「ありがとうw」
ニッコリ笑顔で答えるサリナ。
本当に嬉しそうだ。
583: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:49:18.36 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「俺君の話しって?」
とてもじゃないが言い出せる状況じゃない。
もう一度やり直したいなんて。
今さらだよ。
本当今さら。
俺「いや。
俺は…
あっ、ハルのおもちゃ治したんだよw
これハイ。」
紙袋からハルのバスのおもちゃを出した。
ボロボロだけど、なんとか動くくらいは修復できた。
584: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:50:36.83 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「あっ…うん。
ハルに渡しておくね。」
サリナはまだ何か言いたそうにしてる。
俺「どうした?」
サリナ「うん…
ハルのことなんだけど…」
言いづらそうにしてる。
俺「まだサプライズでもあるのか?w
何だよ。
何でも俺に言ってくれればいいよw」
皮肉を言いながらもこれ以上嫌なことは聞きたくない。
サリナ「ハルね…
わたしに引き取らせてくれないかな…」
少し悲しげな表情をするサリナ。
俺「え…
いや…」
585: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:54:04.27 ID:ktYFwS2/O.net
サリナ「勝手ばかり言って本当にごめんね。
でも…
ハルのそばにいたいの…
わがままだって分かってる…」
サリナは目に涙を浮かべ俺にお願いする。
俺「ハルはなんて?」
サリナ「ハルにはまだ何も言ってないよ…
こんなこと言うなんて無神経だと思うんだけど…
もうハルに彼を会わせたんだ。
彼すごく子供が好きで面倒見もいいの。
ハルもすごく懐いてた。」
586: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:55:01.52 ID:ktYFwS2/O.net
追い討ちをかけるように俺の心に突き刺さる。
サリナ「彼がハルと3人で暮らそうって言ってくれてるの。
わたしも彼と住むようになったら専業になろうかなって…
ハルとの時間も増えるし、ハルにもその方がいいと思う…」
俺「うん…」
サリナ「昔はあんなに無茶苦茶してたのにね…
俺君もいいパパになったよ。
俺君にはハルを育ててくれたこと、すごく感謝してる…
だから…」
587: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:56:06.12 ID:ktYFwS2/O.net
だから何だ?
昔は自由気ままに勝手してきたんだから返せと言わんばかりだ。
サリナ「だからハルを引き取らせて…」
沈黙が2人の間に続く。
サリナはハンカチで鼻をすすりながら、俺の顔を伺い答えを待っている。
俺「あのさ…
ハルに会わせてくれないかな…」
サリナ「うん…」
ハルとは週末会うことになった。
俺の答えは言うまでもない。ハルを渡す気なんて毛頭ないんだ。
それでも複雑な気持ちではあった。
サリナも母親だから、
子供の成長をそばで見届けたいと思うのは当然のことなんだ。
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引用元 クズの俺が父親になった話★3
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